
中編
猿神に愛された結末
ナベちゃん 3日前
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も怖くて、そんなに頼れないでいた。
そんなある日の夕方、ついにその時が来た。
突然だったのに、ついにって書き方は何となく予感はあったんだろうね。
その日もずっと引き籠もって寝てて、気がついたら夕方になってた。夜の窓は鏡になるけど、まだ夕日があるし、と油断していた。カーテンを開けて、外を見たんだ。
そしたら、ベランダに猿が、居た。
窓に猿が映ったとかでは無い。窓一枚を隔てて、実体をもって、確かにそれは居た。
そして様子も違ってて、いつもその猿は裸で現れるのだが(足が変だけど猿だし当たり前か)、その日は黒い着物のような物を着ていた。その姿がまるで、日光猿軍団みたいでおかしくて、いや、笑えないし凄く怖いんだけどね。
精神的にも限界が来てたみたいで、思わず笑いが止まらなくなったんだ。
そしたら急に、あ、これもう駄目だ。迎えに来たんだ。
私、お嫁に行くんだ。
って何故か急に頭をよぎったんだ。
そしたら気絶していて。目が覚めたら4時過ぎで、外は明るんでた。
体も部屋もどこも異常は無かったんだけど、それから心にぽっかり穴が空いた感じ?がずっと続いている。
あれから猿も一切現れなくなった。
私には何も分からないけど、きっと私の魂はあの時、何処かへ連れて行かれてしまったのだと思う。
今は、魂無くても生きられるんだっておかしなことを考えてる。仕事にも行けるようになったし、感情も普通にある。
でも、心の一部に風穴が空いていて、常に隙間風が吹いているのような…この感覚は何と表現すればいいのか。苦しくは無いし、支障も無いんだけど、違和感がずっとある。
あと、何より辛かったのは、あの日から彼氏に関する全てが消えてしまったことだ。携帯の履歴も、共通の知り合いにも、彼が努めていたはずの職場にも。どこにも彼は残って居なかった。
もし私のせいなら本当に悔やまれる。いっそのこと、はじめから私の妄想であって欲しいと、本当に強く願っているが、多分違うと思っている。あの猿は嫉妬深かったんだと思う。
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- オカルト的には生贄か、メンタル逝ってたときの主観と仮定の場合は猿のような彼氏が居なくなったお陰で記憶が歪んでいるか名無し
- ん〜…。…どうょ?K