
私の家族は転勤族で、何度も引っ越しを繰り返してきた。高校生になった私は、今回の引っ越しでやっと自分の部屋を持つことができた。引っ越し先は古びたアパートで、私が一番気に入ったのは自分の部屋のクローゼットだ。部屋を整理していると、クローゼットの上に小さな四角い蓋を見つけた。父に聞くと、それは屋根裏に通じるものだと言うが、私が入れるようなサイズではなかった。
その晩、布団に入ってまどろんでいると、天井からカリカリという音が聞こえてきた。何かが屋根裏を動き回っているのだろうかと思いながらも、そのまま眠りについた。翌朝、着替えるためにクローゼットを開けると、あの蓋が少しずれていて、暗い屋根裏が見えていた。少し気味が悪く感じたが、学校に行く準備をしてそのまま出かけた。
学校の帰り道、急にお腹が痛くなり、立ち止まると友達が慌てて近くの薬局に連れて行ってくれた。結局、その日は病院に運ばれる羽目になった。夜、母が来てくれて、痛みは治まったが、医者は新しい環境のストレスかもしれないと言った。
帰宅し、クローゼットの蓋を見ると、やはり開いたままだった。気味が悪くなり、夜中に帰ってきた父に蓋を閉めて欲しいと頼んだが、酔っ払っていたのか無視された。あの音と蓋が気になって仕方がなく、次の日、母に相談した。すると母は顔色を変え、すぐに父に伝えた。
その日の父は真剣になり、蓋を閉めてくれた。その後、体調は元に戻ったが、数日後、突然父が引っ越しを決めた。理由を聞く間もなく、私は荷物をまとめ、別のアパートに移った。数年後、あのアパートの噂を聞くと、どうやらその部屋は奇妙な現象が続いていたため、安い賃料で貸し出されているという話だった。あのクローゼットの蓋は何だったのか、あの音は何だったのか、今となってはもう知る由もない。私たちが引っ越した後、あの場所には何が残っていたのだろう。何かが、今もそこに潜んでいるのだろうか。
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