新着 短編
「ぼく、おじさんのとなりおいでよー」

小学3年生のときの話。
スイミング教室が終わり、スイミングスクールの目の前にあるバス停から帰ろうとしていた。
スイミングスクール前は始発のバス停で、バスが発車時刻までしばらく待機していた。
あたりはすっかり暗くなった時間だった。
僕はバスに前から乗り運賃箱に前金で運賃を支払い、バスの前の方にある席につこうとすると、後部座席の方から
「ぼく、おじさんのとなりおいでよー」
と不気味な中年男性の声が聞こえてきた。
僕は振り返りもせず、一番前の席でブルブル震えていた。
バスの乗客は他にいないようで、運転手もその声に気づいているはずだが特に何かすることもなかった。
バスにはそのあと他の乗客も乗ってきて、バスが発車し町中を走るようになると立ち客も出てくるくらい混んできて、少し不安が和らいだ。
僕が降りるバスまで来ると、そのまま普通に降りて何かあるということもなかった。
あの声をかけたおじさんがどこで降りたのかは分からなかった。
実際、子供の頃に不審者から声をかけられるのってマジでこわい。子供を狙った犯罪という概念や詳細を知らない当時でも、見知らぬ大人から何かとんでもないことをされるのではないかって感覚的に分かっていて。
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