
長編
一家心中の噂がある廃屋
匿名 2日前
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どこの地域にも、「あの廃屋は昔住んでいた家族が一家心中したんだ」という噂はあるのではないだろうか。
俺の地元も例に漏れず、この噂話が存在していた。
山の中腹にぽつんと残る廃屋。
そこには昔小料理屋を営んでいた家族が住んでいた。
しかしあるとき父親が精神病を患い、妻と子供、そして自分の母親を惨殺した後に自殺した。
そんな噂は、地元に住む子供らはみんなが知っていた。
大学生のころ。
俺たちはその廃屋に肝試しに行くことにした。
噂を本気にしていたわけではなかったが、山の細い道沿いにぽつんと一軒だけ佇むその姿は不気味で、昼間でも近寄りたい場所ではなかった。なので、ちゃんとこの廃屋に行くのはこの日が初めてだった。
その日は深夜、俺と友達と友達の彼女とその女友達の4人で友達の車に乗ってその廃屋に向かった。
廃屋に続く山道は非常に狭く、車がすれ違えないほど。
両脇には不法投棄されたゴミが散らばり、殺伐とした光景が続いている。
そんな陰鬱とした山道を車で10分弱走ると、件の廃屋が忽然と姿を現すのだった。
「うわ~~~。怖~~~」
ヘッドライトに映し出された廃屋を見て、後部座席から友達の彼女が言った。
廃屋はかなり荒廃しており、窓も破れ、屋根や壁も部分的に崩壊していた。
その瞬間だった。
「え???!!」
突然それまで流れていたカーステレオのカセットテープが止まり、逆回転を始めた。
(今から約20数年前。この時はまだカセットテープだったんです)
「うわ!!なにこれ!!」
社内が一気に騒然となった。
逆回転されたテープが「ぎゅるぎゅるぎゅるぎゅる!」と気色の悪い音を立てている。
「逃げろ!」
友達が咄嗟に車を走らせた。
そして、廃屋が視界から消えた途端、何事もなかったかのようにテープが通常再生され、音楽が流れ始めた。
全員が凍り付いた。
空き地に車を止め、全員で意思確認。
「とりあえず、もう一度行ってみよう」と結論が出た。
今度は最初からカーステレオのスイッチを切って行った。また異変が起きたら怖いし。
やがて先ほど同様、ヘッドライトの中にぼんやりと廃屋の姿が現れた。
「じゃあ、行ってくるわ」
俺は懐中電灯と携帯電話を持ち、車を降りた。
実はこの四人の中で俺以外の三人は非常に怖がりで、なんだかんだ話して、結局俺が一人で様子を見る役回りになってしまっていたのだった。
友達の彼女の女友達に度胸の
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- 結構怖いですパクリ
- 結構怖いですパクリ