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長編

小5の思い出

きき 2020年1月28日
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怖くない 314
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だと思うようにさえなった。 俺たち3人は放課後になると少年野球の部室(プレハブ)に集まり、「早く皆忘れねえかなー…」「他になんか話題なるもんねえのかよ…」などと言い合っていた。 直人は 「昨日うちの弟も見たとか言い出してさ。なんか授業中にトイレに行ったときに見たんだと。教室に戻る時に後ろ振り返ったら、女子トイレに入ってくのが見えたってさ。」 と苦笑混じりに話してくれた。 「で、あんまり怖がるもんだから幽霊が便所に行くかよ、見間違いだろって言ったらえらい怒ってさ。俺もカチンときて思わず、あれは俺たちの考えた嘘だって言いそうになっちゃったよ。」 それを聞いて俺は 「あぶねえ。絶対言うなよ。」 と釘を刺した。 直人が続ける。 「でもさ…あの幽霊の、黒いワンピースにおさげって、本当に嘘なんだよな…」 「はあ?お前も一緒に話して決めただろ。」 「いや…そうなんだけどさ…なんか皆が皆俺たちの考えた幽霊見るっておかしくねえ?」 「おかしくはないだろ。あの時俺らが説明したのがそのまま広まってるだけだって。」 「そうだよな…でも、学校中で同じ幽霊を見た見たって言ってんのがなんか気持ち悪くってさ…」 そう言われると確かに。と思うこともあるが、いかんせん小さい学校だ。 俺たちが思ってるよりイメージが正確に伝わってるんだろうと、少人数でやる伝言ゲームみたいなもんだよ。と納得してその日は終わった。 次の日だった。 その日は朝から繁に元気がなかった。 前述のように繁は直接嘘に加担してないせいか、俺や直人と違い割とあっけらかんとしていてむしろこの状況を面白がってもいた。 そんな繁がやけに静かなもんだから、休み時間のたびにどうしたのか聞くが、なんとも歯切れの悪い受け答え。 結局放課後まで繁の様子はおかしく、いつものように部室という名のプレハブへ。 これもいつものようにペンキの剥げたベンチに3人並んで座った。 練習が始まる前、まだ誰も来ない部室に早くから集まって下らないことを喋る。 俺たち3人の日常だ。 俺はなんとなく手に取った素振り用のバットを持ち、直人はいつもするようにグローブを付けて目の前の壁にボールをぶつけては取るというのを繰り返してる。 繁はまだ暗い顔だった。 「なに?なんかあったの?」 直人が戻って来たボールを逆シングルで捕球しながら繁に話かける。 「ああ…うん…昨日さあ…」 繁が自分の手

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  • 怖かったし小説を読むように刺激的でした。文才あるんですね。 しかも、こんな事って現実にあるんですね。
    K
  • こんなに細かく昔のことを思い出せるのがすごいなぁって思いました。
    すみません。
  • 結構おもしろかった
    lalala
  • 伊之助さん
    「えきょう」
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