
それから6年後。
俺は都立の高校に進学した。
同じ中学から進学する子も多かったが、1年生のクラスでは同じ中学の子がいなかった。
新しい環境で教室を見渡していると、少し離れた席の女の子と目が合った。
セミロングの一本結びにした髪の大人しそうな女の子だったが、割と可愛い子だった。
女の子はなぜか俺のことをチラチラと見ていた。
俺はどこかで会った子かなと思ったが、中学は違うはずだし聞いたこともない名前の子だった。
俺は気のせいかなと思いながらも、授業中や休み時間にその女の子のことをチラチラ見ていて、女の子も俺のことを見ることがよくあった。
俺から見て女の子は可愛い子だったが、女の子から見て俺はそれほど格好良くもない。
まだ話したこともないのに・・不思議に感じる俺だが、気になる女の子が俺のことを見ているのは割といい気分だった。
何日か経った頃、放課後に廊下を歩いているとあの女の子とすれ違った。
女の子は俺を見ると嬉しそうにしながら近づき
「ねぇ、私の家の工場にミニ四駆入っちゃったことなかった??」
唐突に聞かれる俺だが、同時に気づいてしまった。
「え?まさか・・」
「そう、そのときミニ四駆取ってあげたの、覚えてるかな??」
ようやく分かった。
その子は4年生のときに出会ったあの女の子だった。
今では背が伸びて、セミロングの綺麗な髪、美しく成長した顔の素敵な女の子になっていた。
彼女は知里(ちさと/仮名)、名前の通り知的な感じのする女の子だった。
そのあと、俺はしばらく知里と話していた。
それから俺は知里と学校でよく話すようになった。
知里とはいくらでも話題があって、ずっと話せるくらい仲が良かった。
知里も俺を見ると笑顔で楽しそうになって、俺たちは惹かれあっていた。
ある日の放課後。
夕日の差し込む校庭で、俺と知里と2人きりになったとき、
「俺と付き合ってくれないかな?」
「うん、いいよ!」
知里は迷うことなく承諾し、俺たちはカップルになった。
俺にとっても知里にとっても初めての恋人だった。
後日談:
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