
長編
コピペ ブラックジャックの家
匿名 3日前
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浮いた。慌てて腰を落として、空気椅子みたいな体勢になって、扉を抑えた。
その後、二度、三度と衝撃が続く。鍵のない扉で、ドアノブが外側からひねられていた。自分がどいたら、扉が開いてしまう。
久美子は椅子のあった所に立ってて、暗くてよく見えなかったけど、浴衣の袖で目元を拭いてたので多分泣いてたんだと思う。
ドスンッドスンッと衝撃は何度も続いて、扉一枚はさんですぐそこに何かがいる気配がするのに、声は全く聞こえなかった。
正直生きた心地がしなかった。
「どうしようどうしよう」と思っていたら、開け放たれたままの窓に気づいて、久美子の顔を見ながら顎で窓を差した。んで、何度もうなづいて見せた。
今思えば、なんでこんな事したのか俺にもよくわからん。
久美子は最初少し躊躇していたけど、扉はガンガン叩かれるし、俺もヘドバンみたいに首を縦に振りまくっていたら、久美子は浴衣の裾を上げて、窓枠に足をかけて外側に身を乗り出した。
そのまま窓枠に手をかけて、パッと離したの見えた後、どすんという音が窓の下から聞こえて、少ししてからサンダルでぺたぺた走ってく音が聞こえた。
「よかった」と思ったと同時に、扉の衝撃が来なくなっている事に気づいた。
顔の横にあるドアノブを見ても、もうひねられてなかった。
部屋は漫画みたいにシーンと静まり返ってて、窓の外から波の音が少し聞こえるだけで、静寂だった。
俺は中腰で扉に寄り掛かったままだったけど、外の奴の気配はもうなくなっていた。
ただ、そこで俺は気づいてしまった。扉のすぐそばで息を殺して待ってて、今ここをどいたらそいつが入ってくるんじゃないか?
いや逆に、そいつが階段を降りて、目の前にある窓から這い上がってきたら、俺はどっちに逃げればいい?
そう思ったら、背筋がゾワゾワして、脇汗がブワーッて湧き出てきた。
動くに動けなくなって、俺はドアに寄り掛かったまま、じっとしていた。
気がついたら、窓の外が明るかった。俺は体育座りみたいな姿勢になって、扉の前で眠ってしまっていた。
ケータイを開いたらもう六時くらいになってた。拍子抜けして、ちょっとの間ぼーっとしてた。
なんとなく、扉を開くのが嫌で、窓から降りる事にした。
窓枠に手をかけて身を乗り出して、手を離して下に降りたんだけど、どちゃっと泥っぽい音がした。
見ると、入り口の周りの地面が濡れていて、雨の後みたいに水浸しになってた
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- 面白くも怖くもない間黒男
- 犯人、記憶が都合よく欠落改竄してる『書き手』だろ 深きものの先祖返りってオチ白黒
- 複雑過ぎて何が適切な意見なのかも 分からない中、すぐそこまで何かを 言いたい気持ちが上がってきてるけど どう伝えれば良いか分からないです。 どうすれば良かったのかの答えもない。 無念です。ママちゃん
- 久美子かわいそうらのよちゃツボツボ
- 高2で童貞、初デートて、、、それが怖いかっぱ
- 人外の者の仕業か・・・ 体験者の仲間内も含め、夜中に件の家を訪れたのは、その時だけだったのかな。 昼間には現れない人外が、夜中には現れて、この世ならざる世界に連れていかれた、とでもいうのだろうか。夢幻