
今年、40歳を迎えた俺は、彼女いない歴=年齢という屈辱的な状況から抜け出すことを決意した。身長は170センチには若干届かない普通の見た目で、年収は300万ちょっと。世間で言われる理想とは程遠いが、そんなことを気にしていては何も始まらない。年明けの初詣で誓ったように、行動に移すことにした。
先月、恋活パーティーで知り合った32歳の美容師の女性と意気投合。彼女は美しい長い黒髪に透き通るような肌を持った魅力的な女性だった。ドキドキしながら声をかけると、彼女は意外にも笑顔で応えてくれた。初デートは、彼女の好きなカフェでのスイーツと、その後の海岸沿いのドライブ。彼女の笑顔を見て、未来に期待を膨らませた。
今日は、特別な場所でのディナーを予約した。午後7時、彼女は白のコートを羽織り、優雅に現れた。食事中、彼女は一度も目を逸らさず、穏やかな笑顔を向けてくれた。これこそが新たなスタートだと思った。
食事が終わり、少し散歩しようと提案したが、彼女がついてこない。振り向くと、沈んだ顔をして立ち尽くしていた。心がざわつく。
「何かあったの?」
彼女はゆっくりと口を開いた。「ごめんなさい、もう会えないの。」
理由を問いただすと、彼女は一晩連絡が取れなかった元彼から突然電話があり、関係が復活したと言う。頭が真っ白になり、彼女の言葉は耳に入らなかった。ただ一つ確信したのは、彼女との未来が消えたことだ。
駅までの道のりを何を考えていたのか全く覚えていない。ふらふらと改札を通り、プラットホームに立っていた。気がつくと、周りは騒然としていた。人身事故が発生し、復旧の見込みは一時間以上。
途方に暮れ、外に出ると、目に入ったのは古びた喫茶店。何かに引き寄せられるように、その扉を開けた。香ばしいコーヒーの香りが漂い、レトロな内装に目を奪われる。窓際に座ると、反対側のテーブルに一人の女性が座っていた。年齢は40代半ば、黒髪に細面の彼女が、こちらを見ていた。
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