
私が高校生の時、母の兄弟が亡くなり、彼の古いアパートを片付けることになった。親族が集まり、久しぶりの再会を楽しんでいた。ふと、2つ年上の従姉妹が言った。「昔、廊下の奥にあった部屋、いつ無くなったのかな?」
幼い頃、廊下の奥には小さなドアがあり、中に入ると薄暗い空間が広がっていた。そこには古いおもちゃが散らばり、子どもたちの秘密基地のような場所だった。私もその部屋で遊んだ記憶があったが、いつの間にかドアは閉じられ、存在すら忘れられていた。
従姉妹が言うには、その部屋はもう存在しないらしい。私が家族に尋ねると、誰も「そんな部屋はなかった」と口を揃える。驚いたのは、他の親戚も私たちの話を信じてくれないことだった。実際、廊下の壁に何の痕跡も見当たらなかった。
私たちの記憶はどうなっているのか。不思議なことに、12人のいとこの中で、その部屋を覚えているのは私と2歳上の従姉妹、そして3歳下の従姉妹だけだった。私たちは皆、少し特異な感受性を持っているようだった。
後日、来られなかった叔父が私たちの話を聞いて言った。「昔、そんな夢を見たような気がする。」その言葉に、もしかしたら私たちの記憶は共有されていたのかもしれないと思った。いや、もしかしたらその部屋は、私たちの中だけに存在するイマジナリールームだったのかもしれない。そう思うと、背筋が寒くなった。もしかしたら、あの部屋は今もどこかで私たちを見ているのかもしれない。私たちの記憶の中にだけ、静かに佇んでいるのだ。どんな形であれ、忘れられない場所として。
そして、思い出したその感覚が、私の心の奥底に不気味な影を落とした。あの部屋が本当に存在したのか、あるいは私たちの心の中にだけ留まる幻影なのか、今もなお分からないままである。私たちの間に交わされた記憶の中で、あの部屋は静かに息づいているのだ。
思い出すたび、背筋が凍るような感覚が蘇る。私たちが目にしたものは、果たして何だったのか。
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