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長編

八尺様

匿名 3日前
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と同時に全身に鳥肌が立った。 ふと隅の盛り塩を見ると、それは上のほうが黒く変色していた。 一目散に仏像の前に座ると、お札を握り締め「助けてください」と必死にお祈りをはじめた。そのとき 「ぽぽっぽ、ぽ、ぽぽ…」 あの声が聞こえ、窓ガラスがトントン、トントンと鳴り出した。 そこまで背が高くないことは分かっていたが、アレが下から手を伸ばして窓ガラスを叩いている光景が浮かんで仕方が無かった。 もうできることは、仏像に祈ることだけだった。 とてつもなく長い一夜に感じたが、それでも朝は来るもので、つけっぱなしのテレビがいつの間にか朝のニュースをやっていた。画面隅に表示される時間は確か七時十三分となっていた。 ガラスを叩く音も、あの声も気づかないうちに止んでいた。どうやら眠ってしまったか気を失ってしまったかしたらしい。盛り塩はさらに黒く変色していた。 念のため、自分の時計を見たところはぼ同じ時刻だったので、恐る恐るドアを開けると、そこには心配そうな顔をしたばあちゃんとKさんがいた。 ばあちゃんが、よかった、よかったと涙を流してくれた。下に降りると、親父も来ていた。 じいちゃんが外から顔を出して「早く車に乗れ」と促し、庭に出てみると、どこから持ってきたのかワンボックスのバンが一台あった。そして、庭に何人かの男たちがいた。 ワンボックスは九人乗りで、中列の真ん中に座らされ、助手席にKさんが座り、庭にいた男たちもすべて乗り込んだ。全部で九人が乗り込んでおり、八方すべてを囲まれた形になった。 「大変なことになったな。気になるかもしれないが、これからは目を閉じて下を向いていろ。俺たちには何も見えんが、お前には見えてしまうだろうからな。いいと言うまで我慢して目を開けるなよ」 右隣に座った五十歳くらいのオジさんがそう言った。 そして、じいちゃんの運転する軽トラが先頭、次が自分が乗っているバン、後に親父が運転する乗用車という車列で走り出した。 車列はかなりゆっくりとしたスピードで進んだ。おそらく二十キロも出ていなかったんじゃあるまいか。 間もなくKさんが、「ここがふんばりどころだ」と呟くと、何やら念仏のようなものを唱え始めた。 「ぽっぽぽ、ぽ、ぽっ、ぽぽぽ…」 またあの声が聞こえてきた。 Kさんからもらったお札を握り締め、言われたとおりに目を閉じ、下を向いていたが、なぜか薄目をあけて外を少しだけ見てしまっ

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