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長編

八尺様

匿名 3日前
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じいちゃんは電話を終えたのか、戻ってくると 「今日は泊まっていけ。いや、今日は帰すわけには行かなくなった」 と言った。 ――何かとんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。と必死に考えたが、何も思い当たらない。あの女だって、自分から見に行ったわけじゃなく、あちらから現れたわけだし。 そして、「ばあさん、後頼む。俺はKさんを迎えに行って来る」 と言い残し、軽トラックでどこかに出かけて行った。 ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると 「八尺様に魅入られてしまったようだよ。じいちゃんが何とかしてくれる。何にも心配しなくていいから」 と震えた声で言った。 それからばあちゃんは、じいちゃんが戻って来るまでぽつりぽつりと話してくれた。 この辺りには「八尺様」という厄介なものがいる。 八尺様は大きな女の姿をしている。名前の通り八尺ほどの背丈があり、「ぼぼぼぼ」と男のような声で変な笑い方をする。 人によって、喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年増だったりと見え方が違うが、女性で異常に背が高いことと頭に何か載せていること、それに気味悪い笑い声は共通している。 昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。 この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。 八尺様に魅入られると、数日のうちに取り殺されてしまう。 最後に八尺様の被害が出たのは十五年ほど前。これは後から聞いたことではあるが、地蔵によって封印されているというのは、八尺様がよそへ移動できる道というのは理由は分からないが限られていて、その道の村境に地蔵を祀ったそうだ。八尺様の移動を防ぐためだが、それは東西南北の境界に全部で四ヶ所あるらしい。 もっとも、何でそんなものを留めておくことになったかというと、周辺の村と何らかの協定があったらしい。例えば水利権を優先するとか。 八尺様の被害は数年から十数年に一度くらいなので、昔の人はそこそこ有利な協定を結べれば良しと思ったのだろうか。 そんなことを聞いても、全然リアルに思えなかった。当然だよね。 そのうち、じいちゃんが一人の老婆を連れて戻ってきた。 「えらいことになったのう。今はこれを持ってなさい」 Kさんという老婆はそう言って、お札をくれた。 それから、じいちゃんと一緒に二階へ上がり、何やらやっていた。 ばあちゃんはそのま

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