
友人のKから聞いた話です。彼は大学のサークル仲間と一緒に、秋休みに廃工場の探索をすることになりました。
その日、彼らは夜遅くまで興奮しながらも明かりのない廃工場の中を進んでいました。特に目的はなかったものの、少しでも怖い体験をしようと意気込んでの冒険でした。
しかし、そんな楽しい雰囲気も束の間、突然の強風が工場の中を吹き抜けていきました。その風に吹かれるように、彼らは奥にある大きな機械室へと足を運びます。
そこで目にしたのは、埃まみれの古い機械の数々。Kたちは興味津々でその周りを探り始めましたが、いつの間にか一人がいなくなってしまったことに気がつきます。
仲間たちは不安になり、名前を呼びながら探し回ります。すると、奥の方からかすかな声が聞こえてきました。「助けて…誰か…」
その声は次第に大きくなっていき、みるみるうちに恐怖が彼らを包み込みました。声の主を探し出そうと、恐る恐る声の方向に向かうと、突如として一台の機械が稼働し始めます。
その機械の裏から、青白い顔で唇を震わせながら、目が血走った女性の姿が現れました。彼女は、まるで彼らを引き寄せるかのように、手を伸ばしてきます。
Kたちは悲鳴を上げ、慌ててその場から逃げ出しました。振り返ると、女性は機械の中に戻っていき、何事もなかったかのように静まり返りました。
外に逃げ出した彼らは、興奮と恐怖で心臓がバクバクしていました。後で工場の管理人に話を聞くと、実はその機械室で女性が過去に事故死したとのことでした。それ以来、その部屋は封鎖されていたにも関わらず、彼らはその時に限って運良く入ることができたのです。
奇妙なことに、再度工場に戻った際、彼らが飛び出してきた機械室の扉は、一切開いていなかったそうです。
「冒険の最後にえらいことになったな」とKは笑いながら語りますが、その目はどこか遠くを見つめていました。彼の口からは、決して忘れられない出来事として、その声が語り継がれていくのでした。
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