
そんなはず…。(実話)
今回は、2回目の投稿になります。
私(男)が看護師として勤務している時に体験した話です。
私は、ある男性患者さん(以降Aさん)の受け持ちをしました。
そのAさんは全盲でした。
私「失礼します。今日から担当看護師の〇〇(私)と申します。よろしくお願いしますね。」
Aさん「あ!どうも!よろしくね!」
Aさん「看護師さんは、何処出身なの?」
私「私ですか?…私は〇〇出身でよ。」
Aさん「そっか。なんか懐かしい話し方だったから。私はその隣の出身だよ。」
私は上京して、1人暮らしをして居たため、Aさんに親近感を持ちました。
Aさんは全盲だったのと、昔に右足を手術したらしく、1人で歩行するのも大変でした。
ですので、トイレに誘導したり、食事の時は、御膳のご飯やおかず、味噌の場所を1つ1つ教えていました。
私「お味噌汁はここです。熱いので気をつけて下さいね!」
Aさん「ありがとう。〇〇さん本当に親切だね。」
私「そう言って頂けると、私も嬉しいです。」
Aさん「私は、子供が居ないけど。もし、子供が居たら〇〇さんくらいの歳なんだろなぁ。」
Aさんは、奥さんに先立たれ独り身でした。そんなAさんが可哀想に思っていました。
Aさんの部屋の前を通った時に、病室の扉が開いていて、Aさんは何を探していました。
私は声を出した訳でないのですが、
Aさん「あ!〇〇さん。ちょうど良かった。財布を落としたんだけど、何処に落ちたかわからなくて…。」
私「はい!ベッド下に落ちてましたよ。」
Aさん「今、起きた時に落としちゃったんだよ。ありがとうね。」
私「いえいえ。」
私「ところで、なんで私が通ったのがわかったんですか?」
Aさん「…ぁあ。足音で大体誰かわかるんだよ。」
目が見えないぶん、聴力が発達するってのは良く聞くので、そう言われた時に納得しました。
それから数週間して、Aさんは退院しました。
それから、半年くらい経ったある日の勤務です。
その日は、ある患者に
ある患者「看護師さん。申し訳ないんだが、新聞を買って来てくれないかい?」
私「わかりました。他に必要な物はありますか?」
ある患者「それじゃぁ、お水も買ってきてもらうかなぁ。あ!新聞はスポーツ誌なら何でもいいよ。」
そう言って、ある患者からお金を預かりました。
売店は病院の入り口を入ったすぐの所にありました。
売店に入る時に、外来診療に来ていた方が私を見て椅子から立ち上がって、深くお辞儀しました。顔を上げたら笑顔でこちらを見ていました。
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