
中編
叩く拳
匿名 3日前
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当時私は高校3年生でした。
親が離婚していておばあちゃんと母、姉と私で暮らしていました
おばあちゃんの家ということもありすごく古い家ですが私は温かみを感じ、好きでした。
一つを除いては。
物置部屋。といったらいいんでしょうか。
使わなくなったピアノや、ドレッサー、衣替えして着なくなった服を置く部屋が一室ありました
そこから拳で叩くような音が聞こえてくることが度々ありました。
ただ家族みんなその音を聞いていて怖いもの知らずのおばあちゃんが何度も確認しに行きましたが、その部屋に行くと音は止まります。1階に戻るとまた音が鳴りだすのです。
ただこう毎度ずっと音が鳴ると生活の一部となり、またなってるねー!くらいになってきてしまいました
そんなある日です。
母が夜勤にいき、姉がお友達と飲みに行き私とおばあちゃんと二人だけになりました。
おばあちゃんは早寝早起き。がモットーなのに対し私は年齢のせいか遅くまで起きていることが多かったのです。
その日もおばあちゃんが寝静まったのを確認し自分の部屋の電気をつけ漫画を読みながら眠くなるまでの時間を楽しく過ごしていました。が
ドン ドン
また音が聞こえてきました。
動物でもいるんだろう。こんな古い家だしな。とも思っていた私は気にせず漫画を読んでいました。
ただその日はいつもと少し変わっていて、徐々に音が強くなっているように感じました。
ちなみに私の部屋は1階の部屋で、おばあちゃんの寝室が2階の物置部屋の奥でした。
おばあちゃんを起こす。というのも選択肢にはありましたが、節約大好きなおばあちゃん。きっと二階の電気は消されていて暗闇の中壁に沿っておばあちゃんの部屋まで行かなくてはなりません。それまでにあの物置部屋を通るのは気が進むものではありませんでした。
おばあちゃんを呼ぶ。という選択肢が消えた私は布団を被って漫画を読んでいました。
ドンッ ドンッ ドンッ
この一定の感覚で叩く音。
果たして動物にこんな一定な間隔で床を叩くことは可能なのだろうか。
それから少し音を無視すると音は止みました。
音がなくなり安心した私にようやく睡魔が襲ってきましたがそのまま漫画を読み続けていたらいつのまにか眠ってしまったようで小鳥の囀りで目が覚めました。
どうやら電気をつけっぱなしで、雨戸も占めてないことに気づき障子から私の影が見えていたんじゃないかと本気で後悔しま
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