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短編
USEN
匿名
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USEN

匿名
2019年3月5日
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あんたのおじいちゃん亡くなったで。

受話器を置いたオカンの顔がみるみるうちにしわくちゃになっていくのをまだ小学生低学年の俺は傍観するしかなかった。

棒立ちになりながらも、じいちゃんとの思い出が走馬灯のように脳内でスロー再生されてゆく。

翌日学校を休み、車で兵庫~鹿児島間をトイレ・昼食以外はほぼノンストップで走った記憶がある。

今なら分かるが、オトンよ。あんたもなかなかすごいよ。

港町でカツオの有名な現地に到着。

いつもなら鰹節の煙の匂いが町中に漂う大好きなじいちゃん家!だが、この日は家中が線香の匂いに包まれていた。

脱水症状になるぐらい泣いた。みんな泣いていた。本当に惜しいと唇を噛んで血が出ていた人もいた。

じいちゃんを見送り、ばあちゃんが心配だからと何日か泊まりそして帰る日になった。

鹿児島~兵庫間をまたほぼノンストップで帰った。

深夜になっていた。

マンションの駐車場に車を停め、玄関前に着いた時なんか違和感があった。

「なんか家の中から声せーへん?」

鍵を空けようとしていたオトンの手が止まる。

確かに何か声が聞こえていた。

入らない訳には行かないので、鍵を空けて玄関を開くと聞こえてきたのは

お経でした。しかもかなりの音量で。

部屋に付いているUSENが勝手に作動して、かなりの数のチャンネルの中からお経のチャンネルがたまたま部屋に響き渡っていました。

タイムリーすぎやろ!

誰宛に突っ込んだのか分からないけどオトンのでかい声に救われた気がした。(当時のオカン曰く)

「じいちゃんが忘れんといてなーって流したんかもなぁ」

オカンらしい一言で恐怖よりも悲しみがまたみんなを包んだ。

そんな不思議な体験でした。

怖い話を期待して読んでくれた方、ごめんなさい。

でも玄関開けた時かなり怖かったですw

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