
私が高校2年生の時、友人たちと地元の冬祭りの準備をしていた。各クラスが出店するために、廃品を集めてリサイクル品を販売することになった。私たちは町内の家々を回り、不要なものをお願いして回収していた。
収集が進む中、友人の一人が古びた木彫りの人形を見つけてきた。人形は小さく、目が異様に大きく彫られていて、まるで誰かを見つめているかのような印象を与えた。友人たちは気味悪がっていたが、私たちは意外とその人形を売り物にすることに決めた。
祭り当日、出店は賑わっていたが、その人形だけは誰にも手に取られなかった。そんな中、突然、友人の一人が人形を指差して叫んだ。「動いてる!」
その瞬間、周囲がざわつき、友人は恐怖に震えだした。彼女はその場で倒れ、救急車を呼ぶ羽目になった。後に、彼女は「人形の目が光っていた」と語った。
不安が広がる中、私たちは人形を売ることを続けたが、誰も興味を示さなかった。終わる頃には人形の他にも売れ残りが目立ち、まとめて安く売ることにした。
祭りが終わった後、私たちは人形を顧問の先生に頼んで買ってもらった。帰宅後、数日経つと、顧問が体調を崩し、学校に来なくなった。心配になった私たちは彼の家を訪ねることにした。
家に着くと、奥さんが出迎えてくれ、顧問の部屋に案内された。そこには、あの人形を前にして顧問が呟いている姿があった。彼の目は虚ろで、まるで何かに取り憑かれているかのようだった。
奥さんは驚いた様子で「最初はただの人形だと思っていたけど、最近は夜に動いている音がするって言ってたの。それを撮影しようとしてから、こんな状態になってしまったの…」と語った。
私たちは恐怖を覚えつつ、何が起きたのか理解できなかった。ただ一つ分かったのは、あの人形が顧問を蝕んでいたということ。そして、あの人形をどこから持ち込んだのか、知る者はいなかった。
冬休み明け、顧問は療養退職し、その後の消息は誰も知らない。あの人形は今、どこにあるのだろうか?
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