
長編
灰色の森
匿名 4日前
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私は“馬鹿”だ。
人を愛する事が、こんなに苦しいだなんて…。
人を本気で愛して、まさかこんなに苦しい想いをするだなんて…。
冷静で、時に厳しく、そして優しい笑顔と温かい眼差しで未熟な私を支え続けてくれるアナタ。私だけでなく、全ての人に分け隔てなく寛容な態度で接するアナタ。私はこの会社に入社以来、徐々にアナタに惹かれていった。
当時、二年付き合った彼氏と別れており、その寂しさの為に自分の心が揺らいでいるのかと思ったが、そうではなかった。
紛れもなく『恋』だった。
綺麗に整理された彼のデスクの上には、縁なしのガラスのフォトフレームの中に綺麗な女性と小さな女の子が写った写真、またチラシの裏紙に辛うじて読み取れる拙い字で「パパ」と書いてある落書きのようなクレヨン画が、共に大切そうに飾られている。
奥さんと子供…。
そう、私は、上司である彼に恋をしてしまった。
恋した相手が、まさか既婚者だなんて…。いや、既婚者だと分かっていたにも関わらず、彼への募る想いを止められずにいた。
私は夜が怖かった。
仕事を終え帰宅し、自宅である小さなアパートの一室で、私がテレビを相手に一人食事をしている時、アナタは奥さんと子供と共にあの笑顔で食事をしているのだろうか。私が冷たい敷き布団で一人眠る時、アナタは奥さんと肌を温め合っているのだろうか。
そんな事、考えてはいけない、想像してはいけないと自分に言い聞かせても、止めどなく頭に涌き上がる。
私は毎晩涙を流し、まるで果てしなく広大な切なさの海に放り出され、力尽き沈みゆくまで漂うように、眠りに就くのをただ待つのであった。
大学からの付き合いである二人の友人は、会う度にやつれていく私を心配してくれた。彼女達に相談でもしていれば少しは気持ちが楽だったかもしれない。でも、出来なかった。彼女達にはそれぞれ彼氏がおり、順調で幸せそうだ。上辺で同情出来ても、私の事を真に理解はしてくれないだろう。
数少ない友人である彼女達とも、次第に疎遠になっていった。
気が付けばアナタへの『恋』は、『愛』へと変わっていた。
深く、深く、苦しい程に、どうしようも無い程にアナタを愛してしまった。
終業時間が訪れ同僚達が皆帰宅してしまい、たまたま私と彼だけがオフィスに残っていた時の事。
私は彼と二人だけになったその空間が急に怖くなり、身体が震えだしていた。高鳴る鼓動を抑えるかのように、震える手
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- オリジナルなら先に書いて欲しいです 読む時間が、ムダ…陸奥
- 草( ´_ゝ`)
- えっと・・・怖い話なんだよね?a100-7
- 載せるとこ違います。あ
- 宝塚の人?・・・
- イミフ。何、この身勝手女のバカな話。 胸糞