
21才のときレンタルビデオでバイトしていた。
ある土曜日の昼勤、同じ系列の他店で人手が足りないからこの日だけきてほしいと言われてその店に来た。
メンバーは知らない人ばかりだったが、仕事のやり方とかはほとんど変わらず順調に進めることができた。
その中に、20才前後くらいの可愛らしい女性がいた。
割と好みの顔でドキッとする俺。
その女性が小学校の頃の担任だった先生と同じ苗字だったが、特に気にしなかった。
その女性と一緒に仕事をするのは、その日が最初で最後だった。
帰り道でも、可愛い子だったなぁとほのぼの思い出していた。
・・
それからだいぶ経ってから思ったのが、その女性ってもしかして・・。
俺が小学4年生のときの担任は40代くらいの男性の先生だった。
ジョークなどが面白くときに厳しく、今思えばいい先生だったなぁって思う。
その先生が、あるときクラス全員の前で自身の病気のことを話した。
実は先生は癌で、すぐに死ぬ訳ではないが「長生きはできない」と医者に言われたときの話をした。
先生の話を聞かない子供だった俺でも、そのときの話はよく覚えている。
当時は先生と年賀状などのやり取りをしていて住所も知っていた。
今思えば、バイトのヘルプで入ったその店と恩師の先生の住所は同じ○○市で場所も近かった。
恩師の先生には息子と娘がいるという話も聞いていた。
当時の先生の年齢から考えて、先生の娘も俺と同じくらいの年齢であると考えられる。
ということは、バイトのヘルプで偶然出会ったあの女性は先生の娘さん?
今思い出してみると、目元や顔のつくりなどが先生に似ていたような気がする。
まさか・・
バイトもやめて何年も経つ今では確かめようもないけど、もしあのときそのことに気づいていたら、その女性に確認してみたくなっただろう。
だが、病気を持つ先生はすでに亡くなっているかあるいは闘病中なのかも知れず、たまたま会っただけの初対面の女性にそのことを話題にするのも酷だった気もする。
あのときのように、何も気づかずに帰るのが一番良かったのか。
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