
長編
冷たい床を這って来る…
しの 3日前
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非常口に行くには嫌でも廊下に一度出るしか有りません。
ペタッペタッペタッ…
ズルッズルッズルッ…
(さっきより早くなってる!)
これ以上考えている余裕は有りません。Mは意を決してドアを開け、女の方へは目もくれず非常口のドアを開けると階段を駆け降りました。
喘息発作で入院して居る人間とは思えない勢いで一気に階段を一階まで。
一階まで辿り着くと、明かりの消えた受付カウンターが見えました。その向かいにはガラスの自動ドア。
Mは自動ドアの前まで来ましたが、やはりこんな時間には開きません。手でこじ開けようとしましたがびくともしません。
まだ、あの女は来て居ない様です。
(どうにか外に出れないかな…)
Mは辺りを見渡しました。
診察室やトイレ等が並ぶ廊下を歩いて行くと、窓がありました。
Mは窓を開けると、窓を乗り越え外に出ました。
足元はスリッパでしたが、構ってられません。
Mは、電話ボックスを探し実家に電話しました。
時刻は夜中の1時過ぎ。
母「もしもし?」
M「お母!」
母「M!?どうしたのよ?病院から掛けてるの?」
M「いや。外」
母「外って?入院してるのに何で外に居るのよ!」
M「ヤバイ。変なの居る。あの病院。今から帰る。帰ったら話す」
母「今から帰る?はぁっ…(ーдー)入院してる人間が朝消えてたら病院大騒ぎだよ…。仕方ないか。朝電話するわ。解った!帰って来な!」
M「スリッパ何だけど…」
母「はぁーっΣ( ̄皿 ̄;;迎えに行くわ!(怒)」
M「すいません…笑」
Mが搬送された病院はMの実家から車で15分位の距離でした。
Mは電話ボックスを出ると、病院の前まで戻りました。
暫くしてMのお母さんが車でやって来ました。
Mは急いで助手席に乗り込みました。
M「ありがとう!ごめん!こんな時間に」
母は答えず、病院の入り口のガラスの自動ドアの方を見つめて居ます。
M「お母!?」
母「え?あっ!じゃ、帰るよ」
M「うん…」
家に着くと、お母さんは
母「明日の朝病院に電話するわ。もう2~3日入院した方が良い。って言われてんだから、明日ちゃんと戻るんだよ!」
M「さっきさ、何か見てた?」
母「あぁ。居たよ。自動ドアの直ぐ向こう側に。髪の長い女だった」
M「這ってただろ?」
母「いや。立ってたよ」
M「立ってた?」
(立てるなら、這って来るなよ!)
Mはその夜は実家で寝ると、翌朝お
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- 床を張ってくるとか怖!私もポルターガイスト現象なら経験したことあるのでその恐怖感わかります!マジで怖いですよねー佐野 花子
- 床を張ってくるとか怖!私もポルターガイスト現象なら経験したことあるのでその恐怖感わかります!マジで怖いですよねー佐野 花子
- 初めまして. コメントさせてもらいます. 怖い話なのにmさんとの会話が楽しいです. 家族のような暖かさが感じられます. 私も昔友達と九歳の女の子の幽霊と住んでた事があります. 姿はハッキリとは見えなかったのですが人影みたいなのと幽霊現象は沢山有りました. 幽霊に詳しい人にみてもらいでも危害がなかったので一年ちょっと住んでました. Mieさんは時々幽霊を見えるのですか? 日本の病院は夜はいつも廊下は明かりが消して有るのですか?私は何度か(毎回違う病院で)入院しましたけど廊下はいつも明かりはついていましたよ.ネコ
- 物好きさん。コメントありがとうございます。 見た私達はもっと怖かったです笑mie
- もう本当に、一番怖かったです!でも、医療ミスで亡くなってしまったのは、悲しいですね…だけど、やっぱりその幽霊は怖かったです…。物好きの魔女
- たつんさん。コメントありがとうございます。 病院にお勤めですか? 私は出産以外で入院した事は有りませんが、夜中の病院内は何も無くても怖いですね。mie
- これだから病院は。。。 夜勤前に怖いものを読んでしまった笑たつん
- こたくんさん。コメントありがとうございます。 ホンマに毎回読んで下さって嬉しいです。 まだまだ有りますので又、読んでやって下さいね笑mie
- 今回も、ドキドキしました。ありがとうございます! まだ他にもあるなら、ぜひお願いします。こたくん
- 匿名さん。コメントありがとうございます。 多分、居るのかも知れないですね。看護師長さんの反応が、気になりましたがMも聞こうとはしなかったので解りませんが。 Mのお母さんの言う様に、医療ミス等で亡くなって居るのであれば、犠牲者ですよね。mie