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中編

餌やり

つなか 3日前
怖い 210
怖くない 198
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えなかったが、その声は憎しみと怒りに満ちていた。 真っ暗な夜道を全力で駆け抜け、何とか家に逃げ込んだ。 鍵を閉めしばらく物音を立てないように声を殺していた。 ジッとし始めて3分ほど経った時。 何かが地面を凄いスピードで這いずるようなガサガサという音が聞こえ始めた。 ガサガサ音は家の周りを二、三周回って、ピタッと止んだ。 私は恐る恐るドア穴から外を覗いてみた。 郵便受けと道路の丁度真ん中あたり。 30代くらいの男。 スキンヘッドで服は着ておらず、ゴキブリのように手と足を器用に使ってカサカサと動いている。 ヨダレをダラダラと垂らし、地面に向かってしきりに何かを嗅ぐような仕草をとりながら、気味悪く歩き回っている。 音を立てたらまずいと思い、ドア穴から音を立てずに目を離そうとした時、傘立てに足をぶつけてしまった。 その瞬間、ドアに向かって ガサガサガサガサガサガサガサ と奴が這いずり寄る音がした。 『うわあああああああ』 思わず声が溢れ出てしまい、急いでドアから離れベッドにダイブし、布団を頭からかぶり目を閉じた。 脂汗が背中から滲み出ているのがわかる。 そしてそのまま意識が飛んだ。 どのくらい寝ていたのだろう。 目が覚めた時には既に次の日の夕方になっていた。 この時、なぜだか昨晩のことは何一つ覚えていなかった。  ふと異常にお腹が減っていることに気づいたが、家には食べ物が何もない。ゴミ出しのついでに近くのスーパーにでも行くことにした。 エコバッグを持って、靴を履いて、 玄関のドアノブに手をかけた時、 昨日の記憶が鮮明に蘇る。 しかしもう手はドアノブを回してしまっていた。 ジャララララ ドアが何かを崩す音と感覚があった。 見ると米が散乱している。 米は道しるべのように道路から私の玄関先まで続いているようだ。 バリバリバリバリバリバリ そんな音が聞こえ始め、道路から半裸のやせ細った男がハイハイしながら米を食べ進めて来た。 そして私を見るなり、ニヤッと笑った。

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  • 凄く奥が深くて面白いと思いました!
    うんこだなのうた
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