
それは、高校一年生の冬の夕方、祖母が入所している施設へお見舞いに行くことになった時のことでした。
祖母は認知症を患っていて、時折入院することもありましたが、元気で優しいおばあちゃんでした。母から連絡があり、心配だから会いに行こうということになったのです。
私自身、施設へ行くことが苦手でした。なぜなら、霊的な感覚が強いわけではないのですが、周囲の人々の感情や残された念を敏感に感じ取ってしまうため、いつも不安になるからです。特に、高齢者施設のように、命の終わりを迎えた方々が多くいる場所では、私の気持ちは重く沈んでしまいます。
それでも、祖母には会いたかったので、気合を入れて、母と一緒に施設に向かいました。
祖母のもとに着くと、彼女は明るい笑顔で迎えてくれました。背筋を伸ばし、元気に話しかける祖母を見て、安心したのを覚えています。
私たちは、祖母のいる部屋の隅にある小さなテーブルに座り、最近の出来事や学校の話を始めました。すると、ふと、足元のベッドが気になりました。誰もいないそのベッド。母が話している間、私はその空のベッドをじっと見つめていました。
その瞬間、頭の中に重い圧迫感が押し寄せてきました。視界がぼやけ、まるで船酔いのような感覚が襲ってきます。嫌な予感がしました。深呼吸をし、気を引き締めると、祖母が心配そうに私を見つめて言いました。「大丈夫?顔色が悪いよ。」
私は、あの空のベッドの主が亡くなったことに気づきました。祖母が言うには、昨日その方はこの世を去ったそうです。頭の病気だったとのこと。
その瞬間、私の体に流れ込んできた嫌な感情が理解できました。まるで、その方の苦しみが私に移ってきたようでした。呼吸は苦しくないものの、頭の中に残された痛みや念が私を圧迫しているようでした。母が戻ってきた時、私は無理に笑顔を作り、元気だと伝えました。
その後、私は自分の中でその方に話しかけ、苦しみを理解し、少しずつ気持ちが楽になっていくのを感じました。祖母にお見舞いをして心配をかけたくない一心で、私は自分を保つことに必死でした。
結局、祖母に「また来るからね」と伝え、施設を後にしました。帰宅後、私はお祓いに行くことを決めたのです。次の日、家族でお寺に行くと、そこで僧侶から亡くなった方がまだこの世に未練を持っていることを教えられました。
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