
一時期、姉がおかしかった。
ある日突然、「最近変なものがよく見える」と言い、続けて「あんたの車、運転席の窓枠から女の首が生えてるよ」と言った。
日頃から楽しい話をしてくれる人だし、テイストを変えてきたのかなと思ったけど、面白くなかったからへぇ〜と流そうとした。
そしたら、「いやマジで。多分今もいる」って。
表情も声のトーンも本気だったから、恐る恐る一緒に見に行ったら、特に何もなくてやっぱり冗談だったんかい!と突っ込んだ。
けど、姉はじっと窓枠を見て、「なんかぱくぱく言ってる…… あっ 消えた…」と真面目な顔で言ってた。
それからしょっちゅう、「下のゴミ置き場に変なのいた。新聞紙ぐしゃぐしゃに集めて人型にしたみたいなやつがぐるぐる回ってた」とか、「職場近くの公園に玉ねぎみたいな頭した… なんか身体がロープひねって作ったようなやつがいてさ、ぐらぐら揺れてて何か気持ち悪かった」とか、毎日そういう話をされた。
そんな日が続いてたある日、姉から電話があり、「ちょっと玄関に塩用意しててくんない?」と言われた。
へいへいと小皿に山盛りの塩を乗せて室外機に置いて、ちょっとワクワクしながら待ってた。
帰ってきたら姉は初めて見るような青い顔をしていて、塩を鷲掴みして車に投げつけてた。
何があったか聞くと、「家に着く直前くらいに、大笑いした子供が併走するように運転席のすぐ側にいた。顔に口しかなくて、その笑い声聞いてたら意識が飛びそうになってあんたに電話した。気付いたらいなくなってたけど、一応塩撒いたほうがいいかなって」と。
その一件があってから、特に変なものは見てないらしい。
変なものが見えてる間は、姉は禍々女だったのかな、って思った話。
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