
もう10年以上前のことだ。あの頃、私は山奥の高校に通い、週末には友人たちと自然を満喫していた。特に心霊スポット巡りが好きで、地元の伝説を探し求めていた。
ある日、友人のKから「面白い場所がある」と聞かされた。彼は私と同じくオカルトに興味があり、同じ趣味を持つ者同士、すぐに意気投合した。彼が教えてくれたのは、近くの山の奥にあるという廃工場だった。
「誰も行かないから、確実に何かあると思うよ」と言われ、私は興味をそそられた。実際に行ってみると、これまでのようにただの廃墟ではないことを期待していた。
秋の夜、私は懐中電灯を持ってその廃工場へ向かった。深夜2時ということもあり、心臓の鼓動が高鳴る。工場の入口で自転車を隠し、冷たい空気を吸い込みながら、ひたすら奥へと進んでいく。
道はだんだんと険しくなり、月明かりの下で私の足音だけが響いた。10分ほど進むと、突然、視界が開けた。周囲には草が生えず、真っ白なコンクリートの地面が広がっていた。その中央には、古びた工場の建物が立っていた。
近づいてみると、外観はかなり傷んでいたが、何かが私を引き寄せるように感じた。中に入ると、何かが違うと直感した。周囲を見回すと、朽ちた機械が無造作に置かれていて、どれもが長い間放置されていたことを物語っていた。
その時、何かの気配を感じた。背筋が寒くなり、空気が重く感じる。音が消え、ただ私の心臓の音だけが耳に響く。小さな小屋のようなものが奥に見えたので、好奇心に駆られ近づいてみる。
小屋に入ると、そこには四角い箱が8つ、無造作に並べられていた。それはまるで棺桶のようで、私の胸が高鳴る。箱の一つを開けてみると、中には布団が敷かれ、その上に紙が落ちていた。
それは黄ばんだ紙で、何かのメモが書かれていた。「ここで待っている」と。恐怖が全身を駆け巡る。周囲を見渡すと、他の箱にも同様の紙が入っていることに気づく。
その時、ふと気づいた。私は小屋の入口から入ってきたはずなのに、外に出るための出口が見当たらない。全てが一つの大きな箱の中に閉じ込められているように思えた。
恐怖と混乱が押し寄せ、動けなくなった。さらに、天井に目をやると、無数の目の模様が描かれていた。それが私を見つめているように思え、全身に冷たい汗が流れた。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。


