の首が尋常じゃなく動いている。 もののけ姫のコダマのように変な角度で小刻みに振動し、母の方向に首を向けて止まった。 発狂し続ける母。 そんな時、誰か階段を上がってくる足音がした。 姑かと思ったら、無表情の母だった。 ！？！？！？ 人生史上最大の恐怖が襲った。 鳥肌ってもんじゃないくらいの嫌な寒気。 それもそのはず。 今、部屋には恐怖で発狂している母と自分の二人。 なのに今部屋に入って来たのは、普段通りの何事もないようにしている母。 目の前に二人の母がいる。 これがドッペルゲンガーってやつかと思った。 さらなる恐怖はどっちが本物かわからない。 もう母の部屋に居ても立っても入られず、父方の祖母の部屋に入った。 祖母は何かを悟ったようにお経を唱え始める。 何故か俺はお経に安心してその場に寝た。 次の日、母はいなかった。 離婚の話し合い期間中だった為、実家に行ったと思っていた。 実家に帰るなら荷物持っていけよと、母の荷物をまとめていると、見つけてしまった。 「遺書」を 母の姿が消えてから3日後だった。 不思議に恐怖心や動揺は無く、気味悪さも晴れていた。 何故か急にヤミ金の取立てや母の奇行の脅威がなくなった安堵感に浸っていた。 だが4日後に自殺未遂している母が見つかった。 あの夜。 母方の祖母の霊が現れて、霊が泣き崩れたらしい。 「ちゃんとしないからこんな事になってしまった！もう終わりだ」って言ったらしい。 その数日後両親の離婚成立しました。