
長編
おじさんの探しもの
(゜Д゜) 2日前
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私の通っていた高校の最寄り駅は、なかなか年季の入った無人駅でした。
学校から目と鼻の先なので利便性はよかったのですが、部活を終えて帰る頃には閑散としており、薄気味悪さを感じるような駅でした。
古い駅なので昔からのいろいろな噂話や怪談話がありましたし、利用者以外の人通りはほぼ皆無だったため変質者の情報も多く聞かれました。
これは私が高校1年生の時、部活の先輩から聞いた噂話に関連する体験談になります。
入学して間もなくある運動部に入部しました。
わりと和気あいあいとした部で、先輩後輩の仲も良かったです。
その年の夏休みに部の合宿がありました。
寝泊りは校舎の教室で雑魚寝です。
普段は入れない夜の校舎でテンションが上がり、誰ともなくお約束の怖い話大会が始まりました。
よく聞く都市伝説から、実際体験したという心霊現象など『みんなよく知ってるな~』と思いつつ、怖いので友達に引っ付きながら聞いていました。
そんな中、ある3年生の先輩が「そこの〇〇駅の話なんだけどね…」と学校最寄りの駅の話をし始めました。
時刻は22時頃だったと思います。
集まっていた教室からその駅が見えるので、みんな窓際へ移動して先輩の話を聞くことにしました。
「あの駅で紙袋を持ったおじさんに会うことがあるんだって。その紙袋には大小さまざまなろうそくが入っているらしいんだけど、仏壇とかお葬式で使う…逆三角形みたいな形(イカリ型?)の赤いろうそくらしいの。」
先輩は駅を見つめながらそこまで話すと、少しトーンを落として続けました。
「そのおじさん、『探し物をしているから一緒に探してくれ』って話しかけてきて、一緒に探してあげるとそのろうそくをくれるらしいよ。」
怖いでしょうと言わんばかりに話し終えた先輩でしたが、周りの反応は「え?それだけ?」って感じでした。
確かに不気味だけど、それはただの不審者じゃないのかと…。
有名な話なのか、他の先輩たちは「そんな話だったっけ?」とか「白いろうそくじゃなかった?」などと話していました。
この地域の都市伝説のようなものだったみたいです。
その後も怖い話はしばらく続きましたが、とくに心霊現象が起こったなどという事もなく合宿は終了しました。
それから数か月後。
3年生も引退して2年生主体で部活に励んでいました。
その日も部活が終わり、みんなワイワイとそれぞれ帰路につきました。
私も友人たちと駅へ。
この怖い話はどうでしたか?
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- 首なしライダー見たいな話だ。かんちゃん