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長編

山男との夏

匿名 21時間前
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たので、なにげなくお祖母ちゃんに山男の話をしたところ、お祖母ちゃんから予想だにしなかった言葉が返ってきたのだそうだ。 「おばあちゃんが言うには、昔戦争が終わったころ、この辺から出征した男が生きて帰ってきたんだって。でもその男は銃撃だか爆撃だかで大けがをして、全身ひどい火傷を負って、全身ケロイド状になっちゃってたんだって。元の顔が分からないくらい。で、家族の元には帰らなかったのか、家族がいなかったのかは分からないけど、人目を避けて顔を布で隠して暮らすようになったんだって」 「それ、思いっきり山男じゃん!」 「そうなんだよ。でも祖母ちゃんが直接会ったわけでもないし、そういう男がいるらしい、って昔聞いたことがある程度だとは言ってたけど。あと、割と昔からあの辺のコンビニとかスーパーとかに、全身布で隠した男が買い物に来ているのは知られていたらしくって、みんな、あの人がその戦争帰りの男なんじゃないかって噂にはなってたそうだよ」 なんと、山男は幽霊でもなんでもなくて、戦争で大火傷を負ってしまった元兵士だという事実が判明したのだ。 いや、正確には判明したわけではないが、状況からして限りなくそうに違いないのではないか、と俺たちの中では結論付けられた。 ただ、結局その山男がどこに住んでいて、何を生業にしているのかまでは分からずじまいだった。 夜中に山の中をうろついていたことや、軽トラの荷台に木の枝をたくさん積んでいたことなどから察して、山の管理やそれに近い仕事を誰かから受けているのかな、と想像することぐらいしかできなかった。 以上が今から約20数年前、俺とAが大学1年生の夏に体験した山男との出来事だ。 で、そこから更に7.8年後。 ある時、Aから携帯電話で写真が送られてきた。 本文なにもなし。写真だけがメールで送られて来た。 メールのタイトルには「山男?」とあった。 写真を開くと、俺たちの地元で発行されている地方紙の、とある記事の画像だった。 その記事を読み進んで、俺は何とも言えない気分になり、Aに「かもしれないね。なんだか、悲しい」と返信した。 地方紙のその小さな記事は、要約するとこう伝えていた。 『先日、S丘陵の中に不法に設置されていたテントの中から、半ば白骨化した遺体が発見された。遺体は高齢男性のものと思われ、警察が身元の特定を急いでいる。またテントの所有者は不明で、テントの中

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