
俺は42才の男、独身だ。
豚カツの料理店で派遣社員として働いていた。
仕事は社員並み、待遇はバイト並みという一番辛いポジションだ。
1日100枚以上の豚カツをひたすら揚げていく、脂まみれ汗まみれの蒸し地獄だ。
料理人でありながらも味も素っ気もない日が続いていたが、そんなある日のこと。
店に41才の女性がアルバイトとして応募してきた。
面接のアポを取った時間帯は、俺が時間帯責任者になる時間だったので俺が面接することになった。
そして当日に現れたのは、とても綺麗な中年女性だった。
顔は確かに若くない感じがするが、メイクがうまく調和して大人の上品な雰囲気を出せていた。
服装も派手すぎず、バランスの良いコーディネートだった。
そして、少し緊張しながら女性の面接をした。
彼女は路子(みちこ/仮名)。
路子は俺の目を見てハキハキと話せていて、志望動機もおかしなところはなく、その時点で採用は確定だったが、すぐ終わるのも変なのでそのあとはありきたりの質問をいくつかした。
面接の受け答えを聞きながら路子をよく見ると、顔の造りがかなり綺麗だった。
服装のセンスもよく、若い頃はモデルか女優だったと言われても疑わないくらい素敵な女性だった。
マダムって感じの専業主婦だなって思って履歴書を見ると、配偶者の欄が「無」になっていた。
え?マジ?独身??
確かに路子の手には結婚指輪らしきものがなく、家族の様子を聞いて見ると一人で暮らしているようだ。
面接が終わって路子が帰り、夕方に店長が出勤すると路子の様子を伝え、そして採用が決まった。
その数日後、路子の初出勤日になった。
白いコックコートに着替えた路子は、とても美しく、雰囲気の良い感じだった。
しばらくは研修期間で店の基本的な動きを身につけたあと、路子は主にキャベツを切ったり、お通しの準備をする仕事をするようになった。
路子は包丁さばきがうまく、綺麗に切られたキャベツの千切りがプロ並みだった。
またテキパキと作業しながらも穏やかな雰囲気があり、お客さんからの評判も良かった。
路子は週4日かそれ以上でシフトに入っていて、店の即戦力だった。
俺は路子と仕事をしながら路子の人柄や仕事への取り組み方に感心しながらも、個人的に路子に関心を持っていた。
路子が働き始めて2ヶ月ほど経った頃、町で花火大会があり店頭で豚カツ弁当を販売したり、店内で食事するお客さんもいたりの毎年恒例の大忙しの日が来た。
その日、路子は開店前から閉店までずっと働いてくれた。
後日談:
後日談はまだありません。
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