
中編
タクシー
匿名 2日前
chat_bubble 2
8,288 views
俺が小学2年生の時にタクシーに乗ったときの話です。
その日は雨でした。俺が習い事に行くためにタクシーを呼んで乗せてもらい、習い事をする場所まで移動しているとき、運転手さんに話しかけられました。
「僕、どこ行くん?」
急だったので少しびっくりして、慌ただしく
「空手」
と言いました。運転手さんは、
「偉いなぁ、一人で行けるんか。」
と言い、バックミラーからニコニコしているのがわかった。運転手さんは60才くらいの人で、いかにも優しそうな人だった。
運転手さんは
「お父さんとかお母さんはついてこーへんの?」
と言った。俺は、
「弟がインフルエンザで看病してる。」
と言った。そしたら
「そうか、大変やなぁ」
と言ってしばらく沈黙が続いた。信号待ちしてると、俺はあることに気づいた。それは助手席に男の人が座っていることだ。男の人は今まで傘もささずにいたのかと思うほどびちょびょだった。俺は、「あれ?今までおったっけ?」と不思議に思ったが運転手さんには言わなかった。そして道場に後5分くらいで着くと言われた時、俺は運転手さんに聞いた。
「助手席の人は誰ですか」
その時は小学2年生。なんとなく聞こうと思って不意に出た言葉がそれだった。すると運転手さんは
「え?助手席?誰もいないよ」
と言った。運転手さんの顔は少しこわばってる顔に見えた。俺はまだ聞く。
「え?助手席に男の人が座っていますよ。」
と言った。運転手さんは
「困ったな」
と小さな声で言い、俺に
「君、見えるの?」
と聞いた。俺は
「うん」
と答えた。すると運転手さんは
「実は...」
と語り出した。
「私は昨日仕事を終わって帰ろうと自分の車で帰っとってん。家は会社から結構離れたところにあって、途中に山を通らなあかんねん。山の中入っていってしばらくしたらトンネルが見えてきてん。そのトンネル入っていったら端っこに男の人が立っててん。私はその人に、大丈夫ですか?と声を掛けたんや。そしたらその男の人、こっちに近づいて来てん。山の中やから人も通らんしなんせ冬やから寒いやろうな思ってな。そしたら男の人が近づいて来てん。今まで気づかんかったけどその人、めっちゃ濡れとってん。雨も降ってないのに。それで車の窓開けたら無理矢理入ってこようとしてな。私は怖なって窓しめようとしてん。そしたら男の人はそっからどいて、ふっとほんまにふっとその場から消えてん。私は頭の中ハテナになって、そのまま何もなか
後日談:
- 読んでいただきありがとうございます。よければコメントお願いします。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(2件)
- ありがとうございます。自分的には少しだけ怖かったですw。猫太郎
- 面白いりえこ