
短編
フロントガラスの手
匿名 2日前
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その夜、俺は山道を走っていた。
不注意でスマホの液晶を割ってしまい、同機種と交換した俺だが、家にWi-Fiがないためバックアップを取るために、近くのネットカフェに行くことにした。近くとは言っても、田舎の市に住んでいる俺は、隣の隣にある市までいかないといけない。
俺は夜9時過ぎに車で山道を走らせていた。
山道とはいえ、舗装されているし、片側1車線ずつ割と走りやすい道だ。
ネカフェがあるM市までは片道1時間くらいかかった。人気のない夜の山道だったがそれほどこわくは感じなかった。
ネカフェでバックアップしデータを引き継いだあと、ネカフェを出るともう夜の12時近くだった。
そのあと、人気のない街を走り、もっと人気のない山道を走らせる俺。
街灯以外暗い山道だが、俺は特に何も感じていなかった。
そして、夜の山道を走っていたとき。
フロントガラスの上から手のようなものが見えてきた。
「なんだこれ?」
手のようなものは、両手とも現れた。
落ち葉などではなく、明らかに人の手だった。
俺は車を止めて調べようと思ったが、車の上に乗って手を出す者など幽霊だとしても、生身のヤバい人間だとしてもろくなことがない。
俺はブルブル震えながら、車を運転していると、そのうちフロントガラスの手はどこへともなくいなくなっていた。
家に帰ってから車を調べたが特に目立つことはなかった。あの手は何者なんだろうか。
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