
私の通っていた中学校には地下室がありました。だけどその地下室は先生たちが使う教材やガラクタのような物が置かれ、生徒は立ち入ることがまずなかったんです。
だけどある日の放課後、友人が窓ガラスを割ってしまい、片付けるのに用務員さんに手伝ってもらいたくなり、私と友人は用務員さんを探しまわりました。
だけど全然見つからなかったんです。
用務員さんはよく日に焼けた背の高い中年男性でした。
時間的にまだ帰っているはずはなく、絶対学校にいるはずなのに見当たらない。それは不思議なことでした。
友人と「どこにいるのかな?」って話していた時に、急に思い出したんです。
まだ地下室を探していないと。
だけど、あんな薄暗くてかび臭い場所にいるとは思えなかったんです。でもそこ以外、すべて探していたので、そこしか考えられませんでした。
そんなわけで本当は行きたくなかったんですが、二人で勇気を出して向かいました。
地下室は薄暗く、非常灯の緑色のライトが淡く点灯しているだけで、懐中電灯が必要なくらい暗かったです。
だからそこまで目の良くない私ははっきりと見えないような状況でした。
でも、長くジメジメとした通路の先に、何やら人の気配がする扉が半開きになった部屋を見つけて、友人と二人で静かに覗いたんです。
すると何故かそこは六畳位の和室になっていて、茶色い電球に照らされた部屋の中に、上半身裸の用務員さんと、白装束のおかっぱ頭の幼い女の子が向き合って座っていたんです。
用務員さんは後ろ姿だったので、どんな表情かわからなかったのですが、白装束のおかっぱ頭の女の子は、目が空洞みたいに真っ黒で、最初は人形かと思いました。
でもそれは間違いなく生きていて、私たちには聴こえないくらい小さな声で、ずっと何かを用務員のおじさんに話していました。
正直、めちゃくちゃ怖かったし、何か見てはいけないものを見てしまった気がして、二人して無言のまま逃げ出しました。
私はけっこう怖い話をする時に話を盛ることがあるのですが、これは本当に見たまま書いています。
なんとなくですが、あの地下室の用務員のおじさんは、何かヤバいことをしていたような気がします。
だけどそれを見た当時の私たちは、一切何も語らずに卒業しました。
何となく大人の男の人のヤバい部分を見たのだと感じたんです。
もしかするとあの地下室にいたおかっぱ頭の少女は、よくできた喋る人形だったのかもしれません。
でも正確なことはよくわかりません。
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