
中編
かごめかごめの怪
匿名 2016年8月31日
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暇な人は見てください。
これは、私が先日友人のSから聞いた話である。いや正確には、その友人の母親から聞いた話であるが…
Sはどこにでもいるような普通のやつでした。ただ一つだけ他と変わっているところといえば、そぅいつもヘッドフォンをつけていたことだ。
Sいわく、「自分の世界にこもれるから」らしいのだがやはり周囲からは変な目で見られていた。
そんなSがある日突然家にやってきた。それだけならいつものことなのでなんということもないのだが、普段おとなしいSが何かに怯えるようにそわそわしていたので俺もヤバイ状況であることを理解した。
S「なぁ、俺?お前幽霊とか信じる?」
俺「はぁ?いきなりなんだよwてかどうしたのそんな慌てて?」
S「いや、ちょっとね」
俺「ちょっとじゃわかんねーよ、お前も話があってきたんだろ?」
S「うん。じゃあ俺が今から話すこと信じてくれるか?」
俺「あぁ、信じるから。でなにがあったの?」
S「実はさ…」
そー言って話し出したSであったが正直俺は、その話があまりにもバカらしくて半ば呆れた感じで聞いていた。
話の内容としては、Sが部屋でいつものようにヘッドフォンをつけて音楽を聴いていると、いきなり音楽が止まってしまったのだという。不思議に思ったSだったが気にせずそのまま本を読んでいたそうだ。するとノイズ音がなった後、童謡の「かごめかごめ」が鳴り出し気味が悪くなったのでヘッドフォンを外したというものだった。
俺「え?それだけ?w」
あまりに突拍子な終わり方だったので俺はつい笑ってしまった。しかし、Sはまだ浮かない顔をしている。
俺「そんな顔すんなってw疲れてただけだろw」
S「実はそれ5日前の話なんだ。しかも毎日同じ時間になるんだよ」
俺「はぁ?だからなんなの?」
S「まだわかんねーのかよ!歌詞のフレーズは6つあるだろ?今日が最後のフレーズなんだよ!」
それがなにを意味するのか俺にはわからず、ただ焦るSを呆然と見ていた。
その次の日俺は朝5時30分に叩き起こされた。
母「S君が亡くなったそうよ!」
俺はその一言で飛び起きた。昨日はあんなにげんきだったSが死んだ。それ以上に、Sが話していた「かごめかごめ」のことが頭から離れなかった。
その日は、学校は臨時休校となりSの通夜に参列した。棺桶に入っていたSはまだ息をしているかのように穏やかな表情をしていた。
悲しみにくれる中一人の男性が俺に話しかけてきた。(以後Aとする)
A「俺くんだね?」
俺「はい、そうですが?」
A「君とS君は仲が良かったみたいだがなにかS君に変わった点はなかったかな?」
その時俺は、あのことを話そうか迷ったが信じてくれるわけがないのでいわなかった。
A「そうかい…。いやーね、S君の遺体がちょっと変わっていたもんでね…」
俺「変わっていたって、なにがあったんですか?」
A「これは機密事項なんだけどね…。実はS君は、発見当時頭が前後逆だったんだ。あとその遺体のそばでS君が残したメモが見つかったんだが、”後ろ"とか"正面がわからない!"とか訳がわからなくて困ってるんだ。俺くん何か心当たりないかい?」
その瞬間俺は全てを悟った。Sの言っていたことも、「かごめかごめ」の意味も。
その後俺は、怖くなってその場を離れてしまいそれ以降Sの家族やSのこととは疎遠になってしまった。そしてつい先日帰省した際に、たまたまSの三回忌に参加することとなった。S母とも久しぶりに会話をし懐かしい思い出に浸っていた。
その時ふとSのヘッドフォンが気になり何気なくS母に尋ねてみた。
俺「そういえば、Sのヘッドフォンてまだあったりします?」
S母「ええ、確かSの机の上にまだあったと思うけど…。それがどうかしたの?」
俺「いえ、拝見したいなと思いまして。」
S母「あらそうだったの、いいわよ自由にみてもらって」
俺「ありがとうございます。」
そう言って、俺はSの部屋に向かった。Sの部屋はあの時のままだった。その部屋の隅にある机の上に、ヘッドフォンはあった。少し埃被ってはいたものの、間違えなくSがつけていたものだ。
俺は懐かしくなり、つけてみることにした。
「確かに、なんか自分の世界って感じするなw」なんて思いながら黄昏ている俺の耳に確かに聞こえた。
「か〜ごめか〜ごめ」
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