門が開く音が キーーィッと鳴りました。 その時は 叔母の姉も一緒に起きていたので 叔母の姉もその音を聞いていました｡ 段々と 足音が玄関の方へ 近付いて来ます。 叔母は 玄関の前まで行き 立っていると また か細い声で 『ごめんください…｡こんばんは……｡』 と 何度も呼び掛けます。叔母は 心の中で ( Ａ子ちゃん…あなたは 2年前に 亡くなってるのよ｡ )と 何度も繰り返し言ったそうです｡ すると 影の主は 一度 後ろに下がり 再び玄関に近付くと 顔をベッタリとガラス戸にくっつけて中の様子を探ろうとしたのか？ カメレオンの目の動きの様に せわしなく 目玉を動かし サッシ戸をバンバンと叩き出し 居間にいた 姉も 玄関に出て来ました。 暫くして 音が止むと また 『ごめんください…｡…こんばんは…｡』 『ごめんください…｡こんばんは……｡』 『ごめんください…｡こんばんは……｡』 『ごめんください…｡こんばんは……｡』 『ごめんください｡』『ごめんください｡』『ごめんください｡』 『こんばんは｡』『こんばんは｡』『こんばんは｡』 と 声も段々と 低くなり 男女の区別が付かない程の地の底から絞り出す様な声になり 『ごめんください｡』と『こんばんは｡』を繰り返し続けました。 それでも 叔母と姉が 様子を見ていると ガタガタと 戸を揺らしたり バンバンと戸を叩いたりを繰り返した 後 気配がスーーゥと消えた そうです｡ それで 姉も叔母も 居間に戻ろうとした時 突然 気配がしたかと思ったら 狂った様に 玄関の戸を叩き出し 姉と叔母が 玄関の方を向いた時 『開けろって言ってるだろう？』 と 一文字 一文字の間を２～３秒くらい開けた様な ゆっくりとした 言い方をした後 門灯の電球が割れて 1本の白い発光体が飛び跳ねる様に 地上から天に向かい光った後 玄関先は真っ暗になって 気配も消えたそうです｡ でも…… そこまでして 叔母を連れて行こうとしていた人って 凄く仲がいい人だったんだねと この話を聞いた後で 叔母に言うと…… ｢仲が良いって？話したことも無いよ｡ただ 名前くらいは知ってた感じだよ｡｣と 言われました｡