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辞めたはずの彼女の話
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辞めたはずの彼女の話

6時間前
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冬のある日の昼、久しぶりに連絡を受けたのは、前の職場で親しかった元同僚のMだった。

「私も辞めました!」

彼女が退職したのは、私がその会社を去った後、約一年が経った頃のことだった。私たちは同じアパレル部門で働いていたため、彼女を誘ってランチでもしようかと考えていた。

私がいた部署は、販売とマーケティングが一体となったチームで、そこにはSという上司がいた。彼女は会社の創設メンバーでもあり、まるで君臨する女王のような存在だった。

Sは若い時からの社員で、彼女に逆らう者はいなかった。彼女の権力のもと、同僚たちは彼女の機嫌を損ねないよう必死になっていた。おかげで、彼女の周りでは常に噂や対立が絶えなかった。

私もSに目を付けられ、理不尽なことで辞める羽目になったが、その後の生活は悪くなかった。彼女が職場を混乱させていたことに感謝している気持ちもある。

私が辞めた後も、会社は変わらず混沌としていた。ある日、大手アパレル会社に買収されることが決定し、Sは新たにやってきた社長にとって代わられる運命にあった。彼女は新しい環境に耐えられず、逃げるように退職していった。

残されたSは、無力な状態になり、今までのように威張ることもできなくなった。新しい上司は彼女の能力を疑問視し、日々叱責を受けることに。Sの周りには誰も寄り付かず、彼女は孤立していった。彼女の口からは独り言が増え、まるで精神的に追い詰められたかのようだった。

半年後、彼女は会社を去ることになった。最後の日、Sは「今までありがとう」と一言だけ残し、手作りのクッキーを置いて去った。

「これ、毒でも入ってるのかな?」

同僚のTが冗談交じりに言いながら箱を開けた。中には、地元の有名店のクッキーが詰まっていた。

「大丈夫だよね」と皆が笑い合いながら、クッキーを分けて食べ始めた。だが、すぐに異変が起きた。Tが顔を歪め、口から黒い物を吐き出したのだ。皆の顔色が急に青ざめ、恐怖が広がった。

その時、誰かがクッキーの箱の裏に手紙があることに気づいた。そこにはこう書かれていた。

「今までお世話になりました。毒は入っていませんので、美味しく召し上がってください。」

その瞬間、誰かが叫び声をあげた。退社したはずのSが、店舗の入り口でこちらを見つめていた。満足げな笑みを浮かべて…

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はじめまして、よろしくお願いします。

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