本当にあった怖い話

私は小さい時から怖い話が好きで、怖い話でありがちな金縛りに凄く興味がありました。

金縛りってどんなものなのだろうか。

本当に動けないのか。

気になってしょうがなかったんです。

金縛りになる方法など、色々試したりしましたが金縛りにはなりませんでした。

金縛りにあってみたいと思いながら生活して28歳を迎えた冬、やっと金縛りにあった時の体験談をお話させて頂きます。

私が28歳の時、私と嫁、息子1人に娘2人、合計5人で暮らしていた時の話です。

住んでいた部屋の間取りが玄関を開けると通路があり、右側にはトイレ、左側に居室。

そのまま奥に行くとダイニング、ダイニングから2部屋が繋がっている3DKに住んでいました。

私と嫁の部屋は玄関のすぐ左側の居室になります。

フローリングなのに敷布団を敷いて寝ていました。

布団の向きは、部屋の扉に頭が向くような感じで敷いていたのですが

夜になると、ちゃんと閉めていたはずの扉が開いており、トイレの扉が見えることが何度かありました。

【嫁が寝ぼけてトイレに行って、ドアを閉め忘れてるのかな？】

なんて思っていたのですが、嫁に聞くと夜にトイレには行っていない。と言うんです。

【子供が覗きに来たのかな？】とか、その時はあまり気にしていませんでした。

そんなことがありながら過ごしていたある夜。

夜中の2時頃に目が覚めると、なんだか変な感じがして扉の方に目をやると、部屋の扉が段々と開いていくんです。

下の子がまだ小さかったので入ってきたのかな？なんて思っていた時に急に体が動かなくなったんです。

そうです。私が待ちに待っていた金縛りです。

私は金縛りって本当に動けないんだー。

声も出ないし動こうとすればするほど縛り付けられるんだー。

なんて呑気に思っていると、ダイニングの奥の部屋から鼻歌が聞こえるんです。

その声は3人いる子供の、真ん中の娘の声でした。

その声は段々とこちらの部屋に近づいて来るんです。

娘の声なんですが私はその声が物凄く不気味で怖くて、こっち来るな！って思っていたのですが、どんどん近づいて来るんです。

何が怖かったって、鼻歌なんですが無機質で、音程は一定、リズムなんてものもなく、色んな音程をながーく音を出しているだけ。

何より息継ぎもなくずっと音が聞こえるんです。

そして近づいて来たその声はもう枕元に、

私は怖くて怖くて仕方がなくずっと目をつぶっていました。

その声はどんどん近くなりもう耳元で鼻歌を歌っていました。