
大学の帰り、私は友人2人と一緒にバスに乗っていた。座っていると、前方に中年の男が立っているのが目に入った。彼は視線を下に向けており、何かに集中している様子だった。私の友人はその男の存在にまったく気づいていないようだった。
男は、目の前で突然、コートを開けると、驚愕の光景が広がった。彼の下半身には何も着ておらず、まるで無防備に開かれた扉のように見えた。露出狂そのものだ。
普通なら、叫ぶか誰かに知らせるだろうが、私の心の中に浮かんだのは恐怖だった。男の狙いは私たちの反応だと気づいた私は、無視することを決意した。心臓が高鳴る中、隣の友人に向かって大きな声で「最近の授業ってさ…」と話しかけ、注意を逸らそうとした。
バスが揺れる中、男の行動に目を向けないよう必死だった。友人たちは全く気づかず、目的地に無事に到着した。だが、降りる際に振り返ると、男は微笑みながら私たちを見つめていた。その笑顔は、まるで全てを見透かしているかのようだった。私たちはその場から逃げるようにバスを降りたが、背筋に冷たいものが走った。まさに、目を逸らしていたのは私たちだったのかもしれない。恐怖は、そこに潜んでいたのだ。
バスの運転手に何か言おうとしたが、言葉が喉に詰まって出なかった。私たちが無視したその瞬間、男の心の中で何が動いていたのだろうか。私たちの無関心が、逆に彼を喜ばせたのかもしれない。
私たちはその後、あの男を思い出すたびに背筋が凍る思いをするのだった。彼が私たちの恐怖を求めていたのだとしたら、何も感じないふりをした私たちが一番のターゲットだったのかもしれない。
公衆の面前で遭遇した恐怖は、忘れられない記憶となった。
自分の無力さを痛感しながら、今後は何かあったときには、声をあげる勇気を持とうと決意した。
それでも、あの男の笑顔が頭から離れないのだ。何を考えていたのか、今も気になる。
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