
冬の寒い夜、俺の高校では新入生が転校してくるという噂で持ちきりだった。皆が興味津々で、特に女子が来るということに期待を寄せていた。俺も内心ではドキドキしていた。
転校生が紹介される日、教室に入ると、そこには少し陰のある雰囲気の女子が立っていた。彼女の名前は涼野舞。彼女は自己紹介を促されると、無表情で「涼野舞です」と言った。
その後、俺の隣に座るよう指定され、舞は静かに俺の顔を見つめていた。彼女は可愛いとは言えないが、どこか惹かれるものがあった。俺は少し恥ずかしくなりながら、「俺は野田翔太、よろしく」と言った。すると、舞は突然、俺の名前を知っているかのように、嬉しそうに微笑んだ。
「翔太くん、会いたかった……ずっと、ずっと待ってたの。」
俺は驚いた。「待ってたって、なんで俺のことを知っているんだ?」
舞はニヤリと笑い、目が異様に輝いている。「昔、私たち、約束したじゃない。絶対に一緒にいるって。」
その言葉に俺は一瞬、記憶が蘇るのを感じた。確かに、五歳の頃に住んでいた団地で、彼女と遊び友達だった記憶が薄っすらとあった。しかし、細かいことは全く思い出せなかった。
「翔太くん、私たち、ずっと一緒だったよね。砂山を作ったり、公園で遊んだり……」
彼女の言葉に俺は思い出そうとするが、何も浮かんでこない。舞は嬉しそうに続ける。「あの時、約束したんだよね。大人になったら、また会おうって。」
「約束……?」俺は混乱した。
「そう、翔太くんが言ったんだよ。だから私はずっと待ってた。あなたが忘れないように、いろんなことを約束してきたの。」
周りのクラスメイトの視線が気になり、俺は気まずさを感じた。「舞、俺はそんなこと覚えてない。」
すると舞は、少し悲しげな声で言った。「覚えてない?それなら、私の言うことを守ってくれたってこと、忘れちゃったの?」
「守ってくれた?」
「そう、私が言ったことを、ずっと守ってくれたから、今まで頑張れたの。」彼女の表情が段々と歪んでいく。周りの視線がますます冷ややかになっていった。
「翔太くんが言ったこと、すごく大切だったから、どんなに辛くても我慢したの。ほら、私、翔太くんに会うために、何も食べずに待ってた。」
その瞬間、彼女の口元から笑顔が消え、恐ろしい表情に変わった。「翔太くん、私のこと忘れないでね。ずっと一緒にいてね。」
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