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長編

見えたモノ…

えい 2021年12月11日
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その連絡を受けた時、最初何を言ってるのか?意味が分からなかった。 分かったのは、簡単な単語のみ…。 鏡、蝋燭、お辞儀。 それで何と無く何が起きてるのかが分かって来た。ソレを行ったのは、電話をくれた人の友達だという事でした。 安易に出来る方法だから、やり方冴え間違えなければ、力の強いモノが見えたりはしない。 ただしやるからには、多少の覚悟がいる。見えるモノにも悪意があり、実害が出る場合があるから…。やらない方が身のため。 で、その友達は、今、身体中に発疹が出来ていて、原因が分からないらしく、取敢えずは処方された軟膏を塗っていると…。 酷い痒みがあり、無意識に掻き過ぎて血が滲むほどだという。それで、発疹を掻いた事で更に傷が付き腫れて熱を持ち膿んで来る。でも痒みがあるからまた掻いてしまい身体中凄い引っ掻き傷が出来ているとの事。 どうして、私に連絡出来たのかは、実行者である彼の友達から渡された紙に書いてあって、それを渡された時に、何かあったらその人に連絡を取ってくれと言われたと…。 連絡をして来た彼をA。件を実行した彼をBとします。 Bさんが実行したのは昼間で、鏡と蝋燭、清酒、線香、米、塩、そして、姿見鏡を用意したとの事。 Aさんは、部屋の中に居てBさんの行動を見ていた。準備が整いBさんは、手を合せお辞儀をしながら、Bさんの部屋の方を見た。 Aさんは、Bさんが部屋の中に視線を向けた時、ペドロの様な物凄く吐き気を伴うような腐臭がしたと言いBさんの方へ顔を向けると、Bさんは、部屋の中を目を見開いて驚愕の表情をしていた。 Bさんの視線の先は、Aさんがいる正面辺り、臭いもその辺りから漂って来ていて、怖くなり、Bさんの名前を叫び、Bさんはハッと気付いて儀式を終えた。 Bさんは、見えた見えたと興奮しながら、後片付けをしてから、Aさんに変なヤツが見えた。白い着物を着ていて全身びしょ濡れで、スゲー臭かった。が、そんな臭いも気にならないくらいに見えた事が嬉しくて良く観察してみていた。 顔は良く見えなかった。そもそも顔に紙みたいな物が張り付けてあって見えなかったと残念そうに言っていたと。 話を聴いてるだけで、ソレの全容が分かり背中がゾクゾクしました。 そして、これは、ダメなヤツだと直感した。 Aさんは臭いだけで、現れたソレを見てはいないから、今、除霊を施せば、大丈夫だろうと思いました。 3日後、BさんとBさんのご両親を連れてきて欲しいとAさんにお願いすると、Aさんに分かりましたと言って貰えました。 私は、その間に色々と準備を始め、数人の知り合いに声を掛け事情を話しました。 声を掛けた方々の中で、何人かに断られましたが、まぁ断った方々の気持ちが分かっていましたから、対して落胆もしませんでした。 断られる事は分かっていました。 Bさんが見たモノはそういうモノですから。 約束の3日後。 私は、5人の僧侶、私と似た事をしている人物を集めました。 僧侶2人…①、②と呼びます。同業3人…紫翠、光明、紅閠。 そして、朝9時にAさん、Bさん、Bさんのご両親が応接間へ通されました。 私が応接間へ入って行くと、神妙な顔をした4人が落ち着かない様子で座っていました。 Bさんの後ろには、腐臭を纏っているソレがずっと何かを呟き立っていました。 全身に鳥肌が立ちました。怖いとさえ思いました。それでも、平然を装い顔を強ばらせて座っている彼等に話し掛けました。 紫雲「こんにちは。遠い所、ご足労ありがとう御座いました。お話は、Aさんから少し伺いましたが…話の内容は間違い無いですか?」 とBさんを見て言いました。 Bさんは、腕の辺りを少し掻きながら頷きました。 紫雲「今も見えてる?」 そう言うと、周りを見渡し、後ろを向いた時にビクッと身体が震えました。 それを見て、Bさんは今も見えてるのだろうと分かりました。 紫雲「Bさん、怖いだろうけど、気をしっかり持って下さいね。」 と…視線を此方に向けさせました。 そのやり取りをしている間にも私は、ソレとの会話を試みていました。 何も話さないソレは、言葉を忘れてしまったのかと思うほど黙って、身体をユラユラと揺すって立っているだけでした。 応接間のドアがノックされ、使用人がお茶を運んで来ました。 紫雲「粗茶ですが、どうぞ召し上がって下さい。少しは落ち着きますよ。」 4人は、お茶を飲み少し緊張が解けた様子でした。 そして、Bさんのお母様が私について聞かれて来た質問に答えました。 紫雲「そうですね。始めて来られた方々は皆、同じ質問をされます。目には見えないモノを信じろと言うのは、多分、無理な話でしょう。もし、私にこの様な能力が無ければ、同じ様な反応だったと思いますよ?ですが、この年になるまで、嫌という程のモノを見て来ました。時には、此方側が危険な状態になる事もありました。」 そう言って、失笑して、お茶を一口飲んだ。 紫雲「もう、これは運命や使命とかの問題なんじゃ無いかと思い始めて、修行に出たのが14歳の頃でした。」 そう言うと、お母様はえっ⁉て顔をされていました。BさんもAさんも驚いた顔をしていました。 紫雲「私を知る人は、少ないです。ここに来る人は、どうにもならないって方々が、人伝に辿り着いて来るんです。助かる人もいれば、ダメな人もいます。生きている人間が相手なら、色んな方法が取れるでしょうが…私達が相手にしているのは、既にこの世を去った方々。時に、数百年前の方々や得体の知れないモノ等も相手にします。にわかには、信じがたい話でしょう。」 そう言って、微笑んで、だから、Bさんの事も助けたいんですよ。と…。 目には見えない分からないモノに自分の息子が怯えてる。A君の話も息子の話も半信半疑だった。 そんな事がご両親の表情から読み取れました。 しかし、その話を信じてキチンと話を聴いてくれる人がいる。そして、助けたいと思ってくれてる。原因が分からない発疹が何等かの障りで、それを分かってくれる人がいるんだ。と…。 表情が和らいで行くのが見えました。 続きます。

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