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長編

赤色の世界

匿名 2日前
怖い 110
怖くない 25
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せ、戸を開いた。 困惑の気配を感じる。開いて、閉じて、見回している。 見えないはずだけど、私にはその様子が手に取るようにわかるのだ。 私は初めて、両親に感謝した。 少ししたあと、彼は教室中を歩き回り探している様子だった。 最後には用具箱に道具を戻し、無言でただ立っていた。 まずい。このままでは気配で悟られる。 私は深く、息を細く吸い込み、意識を閉じた。 目覚めたとき、赤い世界も彼もおらず、暗く冷たい夜に包まれていた。 月もない、空もない、ただただ黒く、黒すらなく、影すらない。 夜の教室の中で、何故か緑色の灯りだけが廊下を照らしていた。 鈴をかき鳴らしたかのような音がする。これは、耳鳴りのようだけど、何かが違う。   何かが、いる。 黒い、人影のような物が動いている。 見ているだけで、何かが失われていくような感覚を味わう。 ノイズのようでいて、暗い穴のようでいて、けれどそこにある何かがいた。 鏡を出入りしている。 私は息を潜め、ただただ外へと逃げることを決めた。 三階の階段に行かなければならない。 行く途中、すれ違いはしたが、キチガイのような逝った顔をしてただ通り過ぎた。 演じることは、私の役目だから、出来る。 私の顔を覗き込んでいる。 ただただ、終点を合わせず、よだれを垂らし続けた。 通り過ぎた。 走れ。走れ。走れ。階段の踊り場だ。 駆け下りた。 左腕を手すりにあてがわせ滑り落ちるかのように駆け下り、壁に身体をぶつけ反発力で向きを変えまた降り続けた。 幸運だったのは、上履きではなく運動靴であったこと。 夏場に青いジャンバーを腰に巻いて着てきたことだった。 二階 一階  寒い、まるで、真冬のような、それとも違う、風のない冷蔵庫のような冷たさだった。 黒い校門へ走り抜ける途中、後ろを振り返った。 何も無い。 黒い闇だけが迫っている。 静かに、穏やかに、けれど確実に黒色が広がっている。 ハチノスケがある。 誰が作ったかもわからないが、子どもたちを見守る遊べる遊具のような巨大な石像だ。 ふと、唐突に思い出した。 木に登る前、たしかハチノスケの穴を通っていた。そして、世界は静かで赤かった。 直感に従い穴を抜け、校門を乗り越えた。 街灯が光っている。風が、吹いている。 だけど、まだ何かが変だ。 追ってきている。

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  • あなたは自◯したのになんでここに書いてるんですか?
    だしじる。
  • ??????
    1
  • あー
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