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長編

赤色の世界

匿名 2024年12月31日
怖い 110
怖くない 25
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私が小学生の頃自殺をした時のお話です 木のてっぺんでぶら下がっていた私は頭から落ち、地面に落ちました。 首は180度回転し一瞬で意識はなくなり私は黒い世界へと堕ちました。 目を覚ました時、世界は一面に赤く染まりあげ静寂だけがありました。 太陽がないのに、赤い。まるで、手のひらにライトを当てたときみたい。 夏の日なのに蝉は鳴いていないのはなぜだろう。 鳥も、人も、音すらもない。 首に手を当てる、ついている。なんともないようだ。 夢かと思い。指を噛むが痛みがある。歯の跡が青く黒ヶと命を物語っている。 私は唐突に我に返り、恐怖感を感じた。 逃げないと……でもどこへ? 不気味な赤色だけが校舎を緋色に染めあげている。 電気はついていない、闇のように黒い。 私は、何かに背を押されるように中央玄関へと駆け出した。 二階 三階 駆け上っていく。 私は教室の中からグラウンドを見渡した。誰もいない。 ただ、赤い。でも、ほんの少しずつ世界が縮まっているような気がした。 職員室に駆けた。誰もいない。 時計が、逆さまだ。 文字も、逆さまだ。 ここはどこなんだろう。お家に帰りたいけど、帰ればまた…… 私は途方に暮れて、自分のクラスに戻り校庭を静かに見つめていた。 …… ……だれかが、立っている? 用務員さんかな、でも、顔が墨汁を垂らしたかのように真っ黒で何も見えない。 彼が耳に何かを当てがい、私を指差した。 見つかってしまった。何かとんでもない事が起こる予感がした。 急いで隠れなければ、隠れ方なら熟知している。 両開きの古い掃除箱を開け、鉄のバケツやT字の箒を表にだした。 まるで誰かが慌てて隠れようとして表にだしたかのように。 これはダミーだ。 私は窓側にある棚の下にある緑色のピアニカを取り出し、その裏側へ身体を滑らせた。 表にだしたピアニカを身体の前に戻し、足元まで見えないように調整し身を隠した。 心臓は、氷のような落ち着いていた。 息も、霜のように穏やかだ。 後は、目を閉じて通り過ぎるのを待つだけ。 足音が近づいてくる。カツリ、コツリ、カ ツ リ コ ツ 止まった。 扉が線路のような音を立てて滑っていく。 確かに、そこにいるのに人の気配がしない。匂いも、息遣いとない。 ……かかった。 『彼?』は掃除箱の近くまで足を運ばせ、戸を開いた。 困惑の気配を感じる。開いて、閉じて、見回している。 見えないはずだけど、私にはその様子が手に取るようにわかるのだ。 私は初めて、両親に感謝した。 少ししたあと、彼は教室中を歩き回り探している様子だった。 最後には用具箱に道具を戻し、無言でただ立っていた。 まずい。このままでは気配で悟られる。 私は深く、息を細く吸い込み、意識を閉じた。 目覚めたとき、赤い世界も彼もおらず、暗く冷たい夜に包まれていた。 月もない、空もない、ただただ黒く、黒すらなく、影すらない。 夜の教室の中で、何故か緑色の灯りだけが廊下を照らしていた。 鈴をかき鳴らしたかのような音がする。これは、耳鳴りのようだけど、何かが違う。   何かが、いる。 黒い、人影のような物が動いている。 見ているだけで、何かが失われていくような感覚を味わう。 ノイズのようでいて、暗い穴のようでいて、けれどそこにある何かがいた。 鏡を出入りしている。 私は息を潜め、ただただ外へと逃げることを決めた。 三階の階段に行かなければならない。 行く途中、すれ違いはしたが、キチガイのような逝った顔をしてただ通り過ぎた。 演じることは、私の役目だから、出来る。 私の顔を覗き込んでいる。 ただただ、終点を合わせず、よだれを垂らし続けた。 通り過ぎた。 走れ。走れ。走れ。階段の踊り場だ。 駆け下りた。 左腕を手すりにあてがわせ滑り落ちるかのように駆け下り、壁に身体をぶつけ反発力で向きを変えまた降り続けた。 幸運だったのは、上履きではなく運動靴であったこと。 夏場に青いジャンバーを腰に巻いて着てきたことだった。 二階 一階  寒い、まるで、真冬のような、それとも違う、風のない冷蔵庫のような冷たさだった。 黒い校門へ走り抜ける途中、後ろを振り返った。 何も無い。 黒い闇だけが迫っている。 静かに、穏やかに、けれど確実に黒色が広がっている。 ハチノスケがある。 誰が作ったかもわからないが、子どもたちを見守る遊べる遊具のような巨大な石像だ。 ふと、唐突に思い出した。 木に登る前、たしかハチノスケの穴を通っていた。そして、世界は静かで赤かった。 直感に従い穴を抜け、校門を乗り越えた。 街灯が光っている。風が、吹いている。 だけど、まだ何かが変だ。 追ってきている。 私は、走った。 走った、途中で唐突に耳鳴りが鳴り響いた。 ギリリリィギリリィン 鈴をかき鳴らすかのような音がする。 古いアパートのまえにある、側溝の溝に身を隠した。 あの日の泥の温もりを今でも私は覚えている。 音が止んだ頃、私は自宅へと駆け出した。 帰りたくない場所なのに、帰らなければならないと走った。 私の家の前に付いたとき、自転車に肩をぶつけながらも 扉のノブを回し家に入った。誰もいない    光はついていた。 通路を抜け、二階の子供部屋へと昭和特有の急すぎる階段を四つ足で登り 自分の部屋にたどり着いた。 真ん中の布団が僕の寝床だ。 滑り込み、ただただ、震えて目を閉じた。 意識が、消える。 目覚めたとき、私は糞を漏らしていた。 朝だ。 だけど、何かが変だ。 父さんと母さんの顔がちょっと違う気がした。 姉さんはどこ。 兄さんと妹がいた。 姉さんは? 姉などいないと、言われた。 前歯が、大きい。 時計も逆になってる、文字も逆さまだ。 人の声がよく聞き取れない、分かるけど、何かが決定的に違うように感じる。 ここはどこ?わたしはだれ、あなた達はなに? 私は、何処か違う場所で、違う私と入れ替わってしまったのかも知れない。 それからの小学校を卒業する日まで、私は眠りにつく度に、何度も同じ夜の校舎の同じ教室に引き戻されていた。 見知っているはずなのに、見知らぬ女性に追いかけられる日が続いた。 そうして、ある時、入られた。 私は 取り返しのつかない事をしてしまった。 帰りたい

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