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短編
先輩の知らせ
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先輩の知らせ

2018年3月11日
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七年前の初夢に児童自立支援施設にいたときに仲良くしてくれた先輩と閖上の花火大会で美味しいイカ焼きの屋台のおじさんといじめを受けていた私を心配してくれた先生が夢に出て来た。

「久しぶり。栞も女の子らしくなって可愛くなったね。私が出てきた意味は後で分かるから。分かっても余り泣かないで。」

「嫌なことがあっても笑って優しさを忘れないお前のままでいなさい。」

「あの時の娘か。大きくなったな。おじさんのイカ焼き覚えてくれたんだな。有り難うな。また遊びに来てくれな。」

…皆優しい笑顔で口々に言うと光の中に消えていく。

そんな夢を見た。

その初夢の理由を理解したのはそれから3ヶ月後の事。

「可愛い孫を大切にしてくれたから守りたかったが、どうすることも出来ないようだ。手出しはならんと言われてしまった。せめて、家のもんは皆で守る。おんちゃんおばちゃんの言うことを聞くように。」

…あの日の朝に祖父が夢枕に立った。

薄々なんの事か分かってしまった。

その日にそれは起きた。

3月11日…東日本大震災。

津波が来た場所は寄りにもよって児童自立支援施設にいたときに一緒に過ごした先輩や後輩の地元だった。

安否が心配であった。

落ち着いた頃に犠牲者名簿をネットで見た。

そうしたら…。

初夢に出てきた人物達の名前があった。

…只の夢だよね。

きっと人違い。

結婚したりして苗字が変わっただけだよ。

しかし…。

毎年3月11日に夢の中で再会する懐かしい人達を思い出す。

「あの栞も25才か。立派なお母さんとお嫁さんになれるよ。自信持ちなさい。素敵な彼氏さんと幸せにね。ずっと見ていたよ。優しさと強さを忘れないでいてね。楽しかったよ…有り難う。見守っているからね。」

今日の朝方に先輩が出てきた。

私の頭を優しく撫でてくれた。

優しい気持ちになった。

不思議な事に一日中、誰かに頭を撫でられている感覚がしていた。

今日の朝に庭先に少し早い蕗の薹が芽吹いていた。

「美味しい。栞はいいお嫁さんになるよ。」

…私の蕗の薹の味噌汁を誉めてくれて嬉しかった。

小さな蕗の薹を見て私は先輩の笑顔を思い出して、悲しい事実をやっと理解出来た。

先輩…寒かったのかな?

味噌汁を味付けながら家の仏壇に供えたら先輩に届くかな?

じいちゃん、皆で食べてね。

美味しく作るから。

そんな事を考えながら祖母と夕飯を作りました。

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はじめまして、よろしくお願いします。

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