
中編
祖父の愛情と怒らせると怖い方々
けいすけ 2017年10月11日
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今回のお話は私が6年前に体験したお話です。
あの日は従姉と遊んでいました。
ご飯を食べてショッピングモールでお買い物をして、カラオケに行きました。
其処は国道沿いにあるとある大きなカラオケボックスでした。
私達が案内された個室に行きました。
従姉には言いませんでしたが、雰囲気がおかしかったです。
重苦しくて、何か黒いもやが渦巻いているような感じ。
その時は私の気のせいだと自分に言い聞かせカラオケを楽しみました。
ジュースを注いできて楽しいカラオケタイムです。
しかし…。
歌詞が映る画面に何か黒いものがうっすらと写っています。
それは人が倒れているような頭の部分でした。
マイクか何かかなぁ?
と、気にせず私は歌いました。
その時に歌った歌のBGM映像に美しい桜が満開の綺麗な神社の映像が流れました。
綺麗だな…と思っていたのも束の間、その頭のような部分が真っ赤に光ったのです。
段々ハッキリ見えてきました。
従姉を絶対に恐がらせてはいけない…と意地でも我慢しました。
追い討ちをかけるようにその影はハッキリ見えてくるだけでなく、段々姿がハッキリしていました。
私の異変に気が付いたのか、従姉に打ち明けました。
「…とりあえず、テーブルのものどかしてみようか。」
どかしても変化なし。
だんだんハッキリしてきた影は…横たわる男の人の頭部の影でした。
なんと無く首を吊った男性かな…と感じていました。
その時点で従姉も私もカラオケをやめました。
まだ指定の時間よりも早く出たのでお店のお姉さんに 不思議な顔をされました。
しかし、何か悟ったかの表情をしていました。
美味しいラーメンを食べて家に帰りました。
両親にこの事を話しました。
「じいちゃんにお願いしておいで。」
父の一言で私は仏壇に線香をあげに行きました。
「じいちゃん助けて。」
…と。
私がお風呂に入って居るときに、脱衣場に誰かが入って来ました。
振り替えると、見知らぬ男性の影が見えました。
それはカラオケボックスで見た影でした。
怖くなり見ない振りをして祖父に助けを求めました。
「大丈夫か。」
…聞き覚えのある声がしました。
振り替えると、見覚えのある白いチョッキを着た祖父とヘッドロックをするかのごとく押さえ込まれた黒い影がいました。
お風呂からあがると、父に話をしました。
「じいちゃんが助けてくれたんだね。」
と…。
私は寝る前に祖父の仏壇に手を合わせてお礼を伝えました。
遺影の祖父は微笑んでいるように口元が動いていました。
その日の夢の中で、仁王立ちの祖父が黒い影に怒鳴り散らしていました。
「嫁入り前の娘の風呂を覗くとは…貴様…家の孫に手を出すとは…。」
「可愛い孫に手を出すとどうなるかわかりますね?」
胸ぐらをつかみ、睨み付ける私のお祖父ちゃんと同じく穏やかな口調で睨み付ける母方の祖父に賛同するように黒い影を睨み付ける曽祖父母の姿もありました。
…黒い影の話を職場の上司に話しました。
「それは怖い思いしたね。其処は男の人が首吊り自殺したのにその個室を使っているから問題になっているんだよ。二度といかない方が良いよ。」
…私達が入った部屋だったのかもしれません。
しかし、個人的には自殺者よりも怒らせると怖い人達がいます。
それは…私のご先祖様方です。
とても素敵な方々なので尊敬と感謝の気持ちは当然です。
しかし、怒らせてはいけない人達だと思いました。
後日談:
- 読んで下さり有り難うございます。 他にも沢山のエピソードがありますが、怒らせると怖いが優しい方々です。 誰かを大切に思う気持ちの素晴らしさを教えてくれました。 「所詮は感情の具現化した存在だよ。肉体が無いだけで生きている人間とかわりないよ。」 …と、曾祖母は夢の中で教えてくれました。 幽霊をみても余り怖くはありません。
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