
中編
アパートの小さな同居人
あい 3日前
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第にその声は絶叫に変わり、「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!!」「ゆるして、もうしない!!!ごめんなさいいい!!!!!」という声と不規則な殴打の音が部屋に鳴り響いた。
俺は死ぬほどビビってロフトで縮こまっていたが、ふと「このままでは男の子が死んでしまう」と思ってしまった。毎日のように声を聞いていた男の子の絶叫にいてもたってもいられなくなり、俺は「やめろ!!!!」と叫びながらロフトを駆け下りた。
部屋には誰もいなかった。俺が降りた瞬間、殴打の音と男の子の叫び声は鳴り止んだ。
自分の心臓の鼓動がうるさいほど聞こえるなか呆然としていた。声がやんだ安堵が半分、恐怖が半分で床にへたり込む。男の子は助かったのだろうか。それとも……。そう思いながら無音の部屋でため息をついたその時
「チッ、やっちゃった」
耳元に、若い女の声でそう聞こえた。
硬直して動けない俺の横で、ズルズルと何か重いものを引きずるような音が動いた。
その音は玄関まで続いて、扉の閉まる音と共に消えた。
次の日の昼、男の子の遊ぶ声は変わらず聞こえた。それは俺が初めて聞いた時と同じ、「ぶーんぶーん」という声と車を動かすようなタイヤのガリガリ音であったため、俺は二度目を聞く前にそのアパートを後にした。
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- 母親同じくしてやりたいわほんとみー
- お婆さんが老衰で孤独死…と違うのかと 言う事が頭を過ぎるも、 男の子が可哀想過ぎて心が痛みます。 お婆さんの孤独死の事など寧ろ問題視 する事でわはくなり男の子の事で 胸がいっぱい。ママちゃん
- 特定を避けるために多少フェイクは入れてありますが、ほぼ実話です。村紗 黄色
- 実話ですか?匿名