
短編
待ち合わせ
匿名 2日前
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京都の二条城近くで店をやっていた時の話。
お店に訪れる人は購入されるお客さん以外に、道や行き方を聞かれる人も多かった。大概は二条城や駅やバス停などへの行き方を聞かれることが大半だった。
ある時、50代ぐらいの男性が、人と会う約束をしていたが迷子になってしまって、この場所がどこなのか教えて欲しいと聞かれた。男性は京都の人じゃ無いようだった。「川を曲がって、それを右に曲がって…」と言うので、この近く川っていったら堀川の事かなと思って聞き返すと"〇〇川"、という聞いたことのない川だった。私が知らないだけかなと思ってGoogleマップで調べてみたら、その〇〇川は九州地方の川だったので、ますます分からなくなった。
男性は待ち合わせをしている人の電話番号が分かるとの事で、私の方が土地勘があると思ったので代わりに電話してあげることにした。
電話すると、待ち合わせをしてる人も男性らしいのですが、電話に出たのは、女性の方だった。
「二条城付近でお店をやっている者で、今日△△さんと待ち合わせされてる男性の方が迷われていて道を尋ねて来られたのですが、△△さんと連絡は取れるでしょうか?」
と聞いてみたところ、少し間があり
「…京都?ですか。こちらは××県(九州)なんですが…。
△△は私の父なんですけど、もう何年も前に亡くなっています。」と言われた。
この人、誰と…?死んでいる人と待ち合わせしているのかと思い、鳥肌がたった。
電話を終えた後、私はどうしようかなと思い考えて、伝えない方がいいかもと思い
「ちょっと分かりませんでした」というと
「僕が間違ってた、勘違いかもしれないね」
と悲しげに言い、店を去られました。
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