新着 短編
心霊スポットとされる峠で

県境にある山越えの曲がり道の多い峠で。
最近は直線的なトンネル中心の新しい道ができて、旧道を走る車は少なくなったが、一部の山道好きな人、空いている道が良い人は旧道を使っていた。
旧道は車通りが少ないこともあり、人によっては昼間でも怖く感じるという。
ある夜、俺は峠の旧道を走っていた。
俺自身は霊感がなく、何も気にせずに走っていた。しばらくすると眠くなってきて、たまたま側道の広いスペースのようなところを見つけると車を止めて運転席を倒して仮眠をはじめた。
しばらくウトウトしていると、
コンコン・・
ドアのガラスをノックするような音が聞こえた。
運転席で横になりながら視線を運転席のドアガラスに向けると、人間の右手の手のひらが窓の外に見えた。見えるのは手だけで、服や顔などは見えない。
ドアにある手がじゃんけんのパーのように見えたのと、目の前に見える手があまりにも非現実的でおかしかったので、俺は右手をチョキにしてみた。
するとドアの外の手はグーに変わった。
俺は思わず笑っていると、その手はブルブルと震え今にもドアを殴って突き破りそうなくらいの勢いで、俺は血の気が引いた。
そのあとは気を失ったのか覚えてなく、気がついたら朝だった。
車はなんともなく俺は峠を越えた。
あの峠で見た手が何だったのか今でも分からない。
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