
長編
空亡
匿名 4日前
chat_bubble 15
46,881 views
黒い塊。
得体の知れない闇の球体。
俺は次の角まで全速力で駆け抜けた。
「何なんだよ…ちくしょー!はぁ、はぁ」
休まる余裕など全くない。
俺はいつの間にか、また泣いていた。
嗚咽と息切れがあいまって、息がしづらい。
それだけで脳に酸素が行き渡ってない感じがして、倒れそうになった。
しかしアイツは、そんなことはお構いなしに追いかけて来る。
見る限り、端っこに到達すれば行き止まりのようだ。
万事休すか…!?
そう思いながら、角まで到着する。
周りを見渡せばハシゴがあった。
ハシゴは階段と違って、速度を発揮できない。
しかもよく見ると、ヤツが十分 通れる広さがあった。
「ちくしょう、こんなの絶対 追いつかれるじゃねーか!」
そう言いつつも、俺は出来るだけの速さでハシゴを駆け上がった。
駆け上がった先は、またしてもドアだった。
登りきった時には真っ黒い闇が、もう下の広場まで来ていた。
「ひぃっ!」
俺は四つん這いになりながら、必死にドアまで駆け寄った。
疲労のせいか、恐怖のせいか、どうしても立つことができず、ドアノブに手を掛けることができない高さだった。
絶体絶命だと思った。
しかし、そのドアは引き戸式のドアだった。
運が良かった。ドアノブ等なくても横にスライドすると開くドアだ。
なんとかドアを開け、四つん這いのままドアをくぐる。
ヤツはもう、すぐそこまで迫って来ていた。
慌ててドアを閉める。
あせっていた為、反動で少し開く。
マズい…
隙間から、黒い物体が顔を覗かせる。
ゾクっとした。次の瞬間、
ドンッ!!!
と、ヤツがドアにぶつかる激しい轟音が響いた。
俺は少しチビってしまった。
あわやというところでドアに飛び付き、今度はしっかりと引き戸を閉めた。
今度は手動の鍵があった。
鍵を掛ける。
「はぁ、はぁ。危なかった!」
息切れと胸の鼓動が止まらなかった。
あまりの疲労に、俺は壁に もたれかかった。
だが、その先にある光景に俺は目を疑った。
光が差していたのだ。
「もしかして、出口か!?」
まさかだった。
この建物の出口があったのだ。
その目映い光のおかげか、不思議と俺は立ち上がることができた。
後日談:
- 11
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(15件)
- 哈哈哈哈HHHっっじゃ
- コメントでネタバレしたあああ
- 上手い!読み言ったらお化け屋敷ってゆうオチ!やられた^^うんこりん
- 化物語かよけ
- ↓あさん (お化け屋敷でもちびる人は、いますよ。私だって怖い。 逆にちびらない人が私的にすごい。) これは、私自身の感想ですか、怖くてとても読みやすかったです。しかし、最後の文章がよくわからなかったので、そこだけは、ちゃんと訂正した方がいいですよ。~~
- 笑...まゆ
- 最後…笑真琴
- しかし、文章ダメやなぁイプシロン
- お化け屋敷でちびるとかやばっあ
- これ好き匿名