
長編
空亡
匿名 4日前
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特に直線なのだが、大の大人が本気で疾走しているにも関わらず、曲がり角 等で距離を離さなければ、すぐに追い付かれてしまう。
精神に異常をきたしながらも、俺はこの直線を全速力で駆け抜ける。
しかし、黒い物体はもう目の前まで来ていた。
俺は涙ながら、半ば諦めかけていた。
「たぶん追いつかれる…」
そう思った瞬間、階段に繋がる曲がり角を発見した。
ギリギリのところで曲がりきり、ヤツをかわす。
今度は全速力で階段を下った。
しかし、階段も厳密には直線の連続だ。
中間の広間に差し掛かる度に、ギリギリで追いつかれそうになる。
だがアイツとの距離はどんどん広がっていき、一瞬 希望が見えたかのように思えた。
しかし、階段の先はなんと行き止まりだった。
「終わった…」
と、諦めかけたその時、ドアノブがあることに気が付いた。
壁・ドア・ドアノブと、全く同じ色で統一された不思議なドアだった。
気が動転していたのと、暗がりで分からなかったらしい。
ドアノブに手を伸ばす。
ガチャガチャ!ガチャガチャ!
なかなかドアが開いてくれない。
ヤツが角を曲がって来た。
「ヤバい…!」
その瞬間、手に力が入った。
!
「開いたっ!」
ヤツが猛スピードで向かって来る。
ドアをくぐった俺は、急いでドアを閉める。
ヤツがドアにぶつかった衝撃で、俺は弾き飛ばされた。
が、なんとかヤツがぶつかると同時に、ドアを閉めることができたようだ。
内鍵でロックできるタイプのドアではなかったものの、アイツの形状上「恐らくヤツはドアを開けることはできない」と俺は思った。
常に全力で走っていた俺は疲労困憊していた為、疲れを軽減できる程度の速度で通路の先へ向かった。
「はぁ、はぁ」
息切れと動悸が凄かった。
昔やった鬼ごっこでも、こうはならない。
しかし、これは鬼ごっことは違う。
鬼の交代などない。
捕まったら…。
俺は恐怖のあまり、視線だけは先程 閉めたドアを見ながら通路を走る。
ガチャ。
ドアが開いた。
「え?」
俺は前に視線を戻し、再び全速力で通路を駆け抜けた。
完全に油断していた。
角を曲がり、直線を駆け抜ける。
振り返る余裕はなかった。
角を曲がり、また直線。
俺は全力で駆け抜けた。
次の角に差し掛かった時、ようやく振り返る。
来ていた。
後日談:
- 11
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- 哈哈哈哈HHHっっじゃ
- コメントでネタバレしたあああ
- 上手い!読み言ったらお化け屋敷ってゆうオチ!やられた^^うんこりん
- 化物語かよけ
- ↓あさん (お化け屋敷でもちびる人は、いますよ。私だって怖い。 逆にちびらない人が私的にすごい。) これは、私自身の感想ですか、怖くてとても読みやすかったです。しかし、最後の文章がよくわからなかったので、そこだけは、ちゃんと訂正した方がいいですよ。~~
- 笑...まゆ
- 最後…笑真琴
- しかし、文章ダメやなぁイプシロン
- お化け屋敷でちびるとかやばっあ
- これ好き匿名