
私が高校生の頃の話です。
その頃、うちの近くには大きな書店がありました。学校帰りによく立ち寄っては、本を眺めたり、お気に入りのカフェで温かい飲み物を楽しんだりしていました。
冬の夜、姉の友達の誕生日プレゼントを探すため、姉と一緒にその書店に向かいました。
書店の一角にある文房具コーナーで、古びた手帳が目に入りました。表紙はボロボロで、明らかに長い間放置されていたようでした。気になった姉は、その手帳を手に取りました。
中を開いてみると、まさに驚愕の内容が書かれていました。手帳の全ページに、私たちの学校の女子生徒たちの名前が書かれ、その横にはそれぞれのスケジュールが詳細に記されていたのです。特に、一人の生徒については、毎日の行動が事細かに記録されていて、まるでストーカーのようでした。
さらに恐ろしいことに、その手帳には、彼女が通う時間帯や、通学路の詳細が書かれていたのです。これは一体誰の手帳なのか? その生徒に何が起こるのか、考えるだけで背筋が凍りました。
手帳を元に戻すことに決めた姉ですが、その時、ふと後ろから誰かに見られているような気配を感じました。恐怖で振り返ると、誰もいない静かな書店にただ冷たい風が吹き込んでいるだけでした。
その数日後、件の女子生徒が通学中に不慮の事故に遭ったと聞きました。手帳の持ち主は今も見つからないまま、書店の片隅で静かに忘れ去られているのです。私たちが知らないところで、誰かの思いが形になっていたのかもしれません。彼女の運命と、あの手帳の関係は一体何だったのか…それを知る者は誰もいません。
私たちの生活の中で、ありふれたものが、どれだけの恐怖を隠しているのか、考えずにはいられません。
その手帳は、今もあの書店の片隅にあるのでしょうか。誰かの目に触れることはあるのでしょうか。
それとも、永遠に忘れ去られてしまうのでしょうか。
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