
俺のじいちゃんはマネキン職人だ。
マネキンを作る会社でずっとマネキンを作り続けてきた祖父は、男女問わず人間の体を知り尽くしていた。
美人というのはどんな顔なのか、髪型や目と鼻の位置など研究し尽くしていた。
そんな訳で俺の家の倉庫には、もう使い終わったモデルや試作品のマネキンなどが置かれていることがよくあった。
中学2年生のある日のこと。
じいちゃんが持っている図鑑を読みたくて倉庫に入ったときのこと。
倉庫の奥に置かれているマネキンと目があった。
「可愛い!!」
そのマネキンは日本人の若い女をモデルにした黒髪で和風の顔つきだが、綺麗な黒髪といい整った顔といい、最高に可愛らしい女だった。
一重に近い二重瞼や細い顔など、日本人っぽい顔をしていた。
俺はその女に恋してしまった。
そのマネキンは、今まで見た女で一番綺麗と言っても過言ではなかった。
考えてみれば任意に形を選べるマネキンであれば、理論上で最高に綺麗な女性をつくることも可能であった。
マネキンの女は俺のことを見ているようにも感じた。
・・
数日後。
俺は部屋にその女のマネキンを連れて来た。
女の子の服はないので、俺の服を着せた。
制服のワイシャツを着せるとブラウスを着た女子中高生にも見える。
下半身はズボンを履かせるしかなくサイズも違うが、意外と似合っていた。
マネキンは大人をモデルにしているので、体格や雰囲気は俺より年上の女子高生って感じだった。
俺はマネキンとずっと一緒にいた。
顔はまるで本物のようにリアルで、いきなり喋り出しても違和感はない。
可愛い女子高生を家に招いて一緒にいるような感じだった。
そのあと俺はマネキンを抱いた。
マネキンの体は冷たいし肌も硬いが、俺は生きた女の子を想像しながらずっと抱いていた。
このマネキンに命を吹き込むことができたらどんなに幸せかと思っていた。
俺はマネキンの女の子とずっと一緒にいて楽しんでいた。
夕方頃、家族が帰ってくる前にマネキンを倉庫に戻した。
俺が大事に作ったマネキンに恋してしまったことを祖父はまだ知らない。
後日談:
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