
小学5年生の時に体験した話です。
私は遊具で遊ぶのが大好きで、特に雲梯(うんてい)がお気に入りでした。
グラウンドにある雲梯とは別に、校舎脇にある大雲梯(だいうんてい)というものが特にお気に入りで、その名の通り通常の雲梯よりも大きく、幅広で長さもあるので、雲梯上を友達とどちらが早く端まで行けるかを競う遊びをよくしていました。
たまに落ちて怪我をしたり、はしごの間に足を取られて転んだりと、今思うと危ない遊びだったのかもしれませんが、当時はそんな考えなど全くなく、他の遊具同様とても人気のある遊びでした。
とある昼休み、いつものように同級生数人と大雲梯で遊ぶことになり、私たちは大はしゃぎで大雲梯に上がりました。
友人のヨーイドン!という合図で走り出し、大雲梯の端に到着する寸前、先を走っていた友人がピタリと立ち止まり、雲梯下を見たまま悲鳴を上げました。
虫でも踏んだのかなと思い足元を見ると、異様なものがこちらを見上げていました。
最初はそれがどんな状態になっているのか分からず、頭も身体もフリーズしたままでしたが、時間が経つにつれ容貌がはっきりしてきました。
真っ白い顔、こめかみまで裂けた口から見える無数の歯。
そしてその顔の両目の部分から手が出ていました。
悲鳴すら上げられずガタガタ震えていると、その目から出ている手がこちらに向かって伸びてきました。
身体は固まって動きませんでした。
気が遠くなりかけた時、雲梯下にいる同級生たちが大声で校庭を見回っていた先生を呼び、気がつけば私は雲梯下で先生に抱きかかえられていました。
みんな泣きながら私の心配をしてくれて、先に悲鳴を上げた友人も泣きそうな顔で私の手を握っていました。
後日聞いた話では、私たちが大雲梯で競争を始めてすぐ、あれは突然現れたそうです。
友人の1人は、「ヨーイドンの合図が出て走ってる2人を追うように見てたら、あれがいきなりお前らの下にいたんだ。そこにいるのが当たり前みたいに…。」と言っていました。
それまで学校の怪異なんてものは聞いたことがなく、よくある七不思議のような都市伝説はありましたが、実際そういった体験をした話は聞いたことがありませんでした。
しかしこの件があってから、大雲梯で怪我をするのは、あのおかしなものに足を引っ張られるからだという話が出回り、しばらくして大雲梯はトラロープが巻かれ使用できなくなりました。
後日談:
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