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長編

残された廃屋の浴室

匿名 3日前
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。が、妙なことに、北端の細長い浴室のみ、残している。明らかに意図的に。 浴室以外は粉々に取り壊しているのに、なぜ浴室だけ残したのか。水も出ないのに。 疑問に思い、浴室内に立ち入ろうとした時、むわっと、生暖かい風を感じた。その瞬間、早くここを立ち去らなければ、と思い、南へと駆け出し、下の道路へと続く石段を駆け下りた。 下りた所は国道の分岐の側で、自転車に乗った男子中学生らしき者が私を不思議そうに見ていた。誰も通らない藪化した廃線跡から下りてくる私を奇異に感じたのだろうか。そして私に声をかけてきた。「何していたんですか?」と。 県都の市街地なら、大人に声をかける子供等、殆どいないが、山村や観光地に近い場所ならたまにいる。そこで例の廃屋を探していたことを話すと、その廃屋のことかどうかは分からないが、祖父から聞いた話だとして、次のようなことを語ってくれた。 あの浴室の残る廃屋のある地にはかつて3軒の民家があった。その内、隣同士の2軒の家族はとても仲が良かった。それぞれ小学校低学年の一人娘がいて、毎日遊んでいた。ある日の日曜、二人の女児は市内の川に遊びに行った。 が、その川は遊泳禁止で、学校ではそこに行くこと自体、禁止していた。二人は最初、川べりで遊んでいたのだが、一人の子が「魚がおる。」と言って川の中に入っていった。 何歩か川の中を進んだ後、いきなりストンと下に落ちた。急に水深が深くなっていたのだ。大人でも水が澄み切っていると、水深を見誤ることがあるが、子供なら尚更。その子は見る見るうちに下流へ流されていった。 もう一人の子は「〇〇ちゃーん!」と大声で呼んだものの、どうすることもできなかった。 その日の夕方、流された子の家では、娘が帰って来ないことから、母親はいつも遊んでいる、そのもう一人の女児に尋ねたが、「途中で別れたから知らない。」と答えたという。 翌日、流された子は下流で遺体となって発見された。その母親は発狂したように泣き崩れ、以来、抜け殻のようになってしまった。 そんなある日、その母親は娘がいなくなった日、自分の娘が隣の女児と川べりで遊んでいた事実を知る。 そこで母親が女児を問い詰めると、泣きながら自分の目の前で溺れたことを認めた。 「何でそれを早く言わんの!?」と、詰め寄られると更に女児は泣きじゃくった。その声に女児の父親が出てきて、母親を宥めたものの、気は収まらないようだった。 それ以来、そ

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